2019年10月06日

身近な自然を学ぶ『ただみ観察の森』観察会 杉沢のユビソヤナギ林 ―保全の必要性について考える―

 10月5日(土)に『ただみ観察の森』杉沢のユビソヤナギ林で自然観察会を実施しました。『ただみ観察の森』は、只見ユネスコエコパーク地域内の自然環境やそこに生息・生育する野生動植物の現状を理解し、それらを身近に触れてもらうことを目的とした場所で、町内の7ヵ所に設置されています。今回は、杉沢集落の伊南川沿いに位置するユビソヤナギ林で、参加者10名とともに河畔林を構成するヤナギ類各種の葉や樹皮の特徴や生育環境を観察しました。

 前日の夜は激しい雨風で、当日の天候が心配されましたが、一転して快晴に見舞われました。伊南川右岸の熊倉地区の集会所に集合し、そこから車に乗り合わせて対岸のユビソヤナギ林へ向かいました。国道289号線沿いに入り口があり、そこからユビソヤナギ林を経由して河原に行くことができます。

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▲ユビソヤナギの説明を受ける参加者

 ユビソヤナギは、日本固有種で東北地方から関東地方内陸部にかけての14ヵ所の河川でしか確認されていない珍しいヤナギです。只見町では2003年に初めて記録され、その後の集中的な調査によって叶津川、小戸沢、北ノ又川、そして伊南川流域に広く生育することが分かっています。いずれの生育場所も中州や網状流路が発達した広い河原をもつ山地河川で、加えて冬季の積雪が80pを超える地域に分布することから雪国に特徴的なヤナギと言えます。また、只見地域のユビソヤナギは、黒谷川および伊南川沿いの50km以上にわたって断続的に分布しており、日本最大級の自生地となっています。

 ユビソヤナギ林といっても林内には、ユビソヤナギ以外に複数のヤナギ類が入り混じっています。ここでは主にシロヤナギ、オノエヤナギ、オオバヤナギの4種がみられ、葉や樹皮を実際に観察しながら、これら4種の見分け方を説明しました。

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▲樹高の高いヤナギ類は、ほとんどがシロヤナギでその中にユビソヤナギが点在する

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▲ユビソヤナギの樹皮は全体的に黒っぽく縦に裂けるのが特徴だが、シロヤナギの樹皮は白っぽく、はがれやすい

 林内を抜けて河原に出ると、ヤナギ類の若い個体が確認されました。ユビソヤナギとオノエヤナギの葉は両方とも細長いため、一見して見分けるのは難しいですが、それぞれの葉の特徴を理解すれば次第に識別できるようになります。ユビソヤナギは葉の鋸歯(葉の縁のぎざぎざ)が粗く、オノエヤナギの葉の縁は波状で鋸歯はほとんどありません。さらに、何枚かの葉を素手で握ってみると感触もだいぶ違います。

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▲河原には若いヤナギ類が生育する

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▲「葉と握手すれば分かる」ユビソは固く、オノエは柔らかい

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▲河原から山地に目を向けると、手前にユビソヤナギ、背後にブナ林という組み合わせを見ることができる

 最後は、只見町における河川環境およびユビソヤナギの保全について話し合いました。ユビソヤナギは、国および福島県の絶滅危惧種(絶滅危惧II類)に、また只見町指定の貴重野生動植物種に指定されています。河川改修等でタネが発芽・定着できるような場所(砂州)が無くなり、ダムの設置により大規模な出水が起きにくくなると、ユビソヤナギは子孫を残すことができなくなり、その河川から消滅する可能性が高くなります。洪水時の流れが河岸に強く当たる湾曲部の補強といった河川工事は、必要に応じてしなければなりませんが、ユビソヤナギが生育し得るような環境を残すことも重要です。

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▲参加者の集合写真

 今回はユビソヤナギや河川環境の保全の必要性について理解していただくよい機会になったのではないかと思います。参加者の皆さま、ご参加いただきありがとうございました。『ただみ観察の森』における自然観察会は、11月にも予定しておりますので、そちらもぜひご参加いただければ幸いです。
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2019年09月25日

野鳥観察会の下見に行きました!

少しずつ秋めいてきた只見町です。
今週末に実施する野鳥観察会の下見に行ってきました。
ただみ・ブナと川のミュージアムの前にある公園内のカツラは一足早く色を変えはじめました。

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只見川の堤防の上にはススキが穂を開きはじめ秋らしさを添えています。

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公園内には、クリ、コナラ、トチノキなど実の成る樹も多くあります。まさに実りの秋ですね!

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町下橋の欄干ではハクセキレイが迎えてくれました。

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道沿いには秋の草花もよく咲いていました。
ナンブアザミです。

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ゴマナも集まるときれいですね!

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只見ダムにはキンクロハジロが渡ってきていました。

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野鳥観察会は今週末です。どんな鳥が出るかは運次第ですが、秋の植物や風景を楽しみながらのんびり歩きたいと思います。
参加締め切りは9月26日(木)となっていますが、前日まで大丈夫です。ブナセンターまでお電話ください。
電話 0241-72-8355
9:00〜17:00(火曜休館)

野鳥観察会の詳しい内容はHPでご覧ください。 こちら
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2019年09月15日

企画展「只見の地形と地層」と関連イベントのおしらせ

10月5日(土)よりただみ・ブナと川のミュージアム2階ギャラリーにおいて、企画展「只見の地形と地質」を開催いたします。

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会期:2019年10月5日(土)〜2019年1月6日(月) 

場所:ただみ・ブナと川のミュージアム 2階ギャラリー(福島県南会津郡只見町大字只見町下2590)

さらに、企画展に関連して、10月13日(日)にブナセンター講座「地層からひもとく只見の自然」を、10月14日(月・祝)に自然観察会「只見の地形と地層、植生を観察しよう!」を開催します。

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●ブナセンター講座「地層からひもとく只見の自然」

日時:2019年10月13日(日)午後2時30分〜4時30分

場所:ただみ・ブナと川のミュージアム セミナー室

講師:竹谷 陽二郎 氏(元福島県立博物館学芸員・理学博士)

参加費:無料(ブナセンター講座の聴講には入館料が必要です)

只見町史資料集第4集『会津只見の自然』において地形・地質分野を執筆された、元福島県立博物館学芸員の竹谷陽二郎氏を講師にお招きし、只見地域に分布する地層・岩層の特徴や、この地域がどのように形成されたのかなど、只見町史編さん事業当時の調査のことも交えながらお話いただきます。

●自然観察会「只見の地形と地層、植生を観察しよう!」

日時:2019年10月14日(月・祝)午前9時30分〜午後2時00分

集合:ただみ・ブナと川のミュージアム(午前9時30分)

観察地:浅草岳只見沢登山道沿い
※荒天時は中止あるいは時間を短縮することがあります

参加費:高校生以上500円、小中学生400円(保険料を含む)

持ち物:昼食、飲み物、雨具、長靴

定員:30名(要事前申込)

申し込み締切日:10月10日(木)

浅草岳の只見沢周辺は、第三紀の海底火山活動による堆積物の地層に加え、第四紀の陸上火山であった浅草岳の噴出物の地層が広がり、浅草岳の火山地形、雪食地形、渓谷といった地形も観察できます。そして、そうした地形・ 地質の上に成立するブナ林やトチノキ・サワグルミの渓畔林などの植生も観察することができます。秋の只見の森を歩きながら、地形・地質から只見地域の大地の成り立ち、そして、現在の植生との関係を学びます。

お申し込みは只見町ブナセンターまで
電話1(プッシュホン)0241−72−8355

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2019年09月08日

10月5日(土)『ただみ観察の森』観察会A「杉沢のユビソヤナギ林」のご案内

只見町ブナセンターでは、10月5日(土)に『ただみ観察の森』観察会「杉沢のユビソヤナギ林―保全の必要性について考える」を開催します。

『ただみ観察の森』は、只見ユネスコエコパーク地域内の自然環境や野生動植物の現状を理解し、身近に触れてもらうことを目的とした場所です。今回の観察地である杉沢の伊南川沿いは、絶滅危惧種であるユビソヤナギの日本最大の自生地であり、観察会を通して、ユビソヤナギの生態や河川環境の保全について考えます。

日時:2019年10月5日(土) 午前10時00分〜12時00分

集合:熊倉集会場(只見町大字熊倉五位田割283、午前10時00分)
観察地:杉沢のユビソヤナギ林

参加費:高校生以200円、小中学生100円(保険料)

持ち物:飲み物、天候により雨具

装備:長靴が好ましい

定員:30名(要事前申込)

※荒天時は中止あるいは時間を短縮することがあります

詳細につきましては、下記のURLより只見町ブナセンターのホームページをご覧ください。
http://www.tadami-buna.jp/event.html

なお、参加するためには、事前申し込みが必要ですのでブナセンター(0241-72-8355)までご連絡ください。

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posted by ブナ at 13:47| Comment(0) | イベント

2019年09月06日

企画展アーカイブ「ただみの野鳥とその生態」および自然観察会「只見町の秋の鳥〜渡ってくる鳥・去る鳥」のご案内

9月7日(土)よりただみ・ブナと川のミュージアム2階ギャラリーにおいて、企画展アーカイブ「只見の野鳥とその生態」を開催いたします。

本企画展は、2014年度に開催した企画展「季節とともに生きる 只見の野鳥とその生態」のアーカイブ展です。只見町に生息する野鳥を紹介するパネルのほか、剥製標本や写真を展示します。

会期:2019年9月7日(土)〜2019年9月30日(月) 

場所:ただみ・ブナと川のミュージアム 2階ギャラリー(福島県南会津郡只見町大字只見町下2590)

さらに、企画展に関連して、9月28日(土)に秋の野鳥を観察する自然観察会「只見町の秋の鳥〜渡ってくる鳥・去る鳥」を開催します。

日時:2019年9月28日(土)午前9時00分〜12時00分 

集合:ただみ・ブナと川のミュージアム(福島県南会津郡只見町大字只見町下2590、9時00分)

観察地:只見川公園から只見川沿いに只見ダムまで
※荒天時には撮影場所を縮小あるいは、館内でスライドを用いた講演を行います

持ち物:双眼鏡、飲み物、天候により雨具
※双眼鏡をお持ちでない方にはお貸しします

参加費:高校生以上500円、小中学生400円(保険料を含む)

定員:20名(事前予約制)

申込締切:2019年9月26日(木)
※参加者が5名に満たない場合は中止とさせていただきますのでご了承ください

参加申し込み・お問い合わせは、只見町ブナセンターまでお電話にてご連絡ください

電話1(プッシュホン)0241−72−8355 午前9時〜午後5時(火曜休館)

より詳しい内容につきましては、ホームページ(http://www.tadami-buna.jp/event.html#20190907%20yacho_kikakuten)をご確認ください

只見の野鳥とその生態

posted by ブナ at 14:39| Comment(0) | イベント