2022年08月01日

只見町ブナセンター主催写真展 開催のお知らせ  

只見町ブナセンター付属施設「ふるさと館田子倉」では8月11日(木)より、
写真展「この写真、どこ?だれ?何してる?−皆川文弥が撮った只見線が開通した頃の只見−」を開催します。
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【内容】この写真展は田子倉館に展示している多くの資料を収集された皆川氏が生前、撮りためた写真ネガの中からテーマ別に抜粋したものです。年代や場所、建物の名称など、分かる写真もありますが、不明な写真も少なくありません。そこで、実際にご覧頂き、「この場所知ってる!」「これはあそこの建物だ!」など、何でも教えてください。情報を加えることによって、一枚一枚の写真を甦らせることができます。
見る人によって懐かしく思えたり、新鮮に感じたり。
世代を問わず、みなさんと作り上げるそんな写真展です。只見線開通の日のお宝写真もあります。この時期に、是非会場へお越しください。

▼会期:2022年8月11日(木)〜2022年11月28日(月)
▼会場:ふるさと館田子倉 2階会議室
▼入館料:高校生以上310円、小・中学生210円
※20名以上の場合は団体割引があります。
※只見町内在住の小・中・高校生は入館料が無料になります。
▼お問い合わせは只見町ブナセンター ふるさと館田子倉まで
電話1(プッシュホン)0241−72−8466
午前9時〜午後5時(火曜休館)
▼只見町ブナセンターホームページ:http://tadami-buna.jp/
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2022年07月02日

6月26日 野鳥観察会(新田沢周辺)開催報告

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 2022年6月26日(日)は、ただみ・ブナと川のミュージアムから只見川を挟んで向かいにある「新田沢」周辺において、「春から初夏の野鳥観察会」最終回の第3回目を開催しました。今回は11名にご参加いただきました。6月も下旬となり日増しに暑さが感じられるようになってきた只見町ですが、当日は曇り空かつ無風で、この時季としては野鳥観察に適した気象条件に恵まれました。
 新田沢をメインの観察地としつつ、道中の町下橋などでも探鳥しました。山々はすっかり深緑に包まれ、山道の脇をエゾアジサイが涼しげに彩っていました。
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 まずは視界の開けた町下橋から、只見川の鳥を探して目を慣らします。ここでは、礫河原を好むイソシギやハクセキレイが確認されました。
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 新田沢に入ると両側から森林も迫り、視野の狭い渓谷となるので、耳も使って鳥たちの「さえずり」や「地鳴き」を頼りに種を識別していきます。新田沢は谷の入口こそスギ植林地ですが、上流へと詰めていくとコナラやサワグルミ、ブナが混生した林があり、合間には岩場や細い沢筋が見られるなど、短いコースながらも様々な環境を含んでおり、良好な観察コースとなっています。

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▲オオルリ

 今回はオオルリが主役と言っても良いほどによく観察できました。渓谷と付随した森林は、典型的なオオルリの生息環境です。沢のあちこちに複数のつがいが生息しているのでしょう。また、周辺の広葉樹林からは「焼酎一杯ぐいー」とも聞きなされるセンダイムシクイのさえずりや、「シシシシ…」と尻上がりに鳴くヤブサメのさえずりなどが聞かれました。

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▲エナガ

 コナラ林ではエナガの群れが移動する様子が観察されました。エナガはとても小さく、すばしこく動き回るため、双眼鏡で追うのは少し難しい相手です。逆に目視が容易かったのはヒヨドリで、林の上を飛んで移動する姿は何度も目にしました。

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▲ウラナミアカシジミ

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▲ミズイロオナガシジミ

 また、梅雨時は「ゼフィルス」と呼ばれるシジミチョウの仲間の成虫が多く出現する時期でもあります。今回はウラナミアカシジミとミズイロオナガシジミが確認されました。いずれもコナラを食樹としています。

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▲コシジシモツケ

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▲エゾアジサイ

 梅雨時の花・コシジシモツケはまだ蕾が多かったです。エゾアジサイは沢の入口に多く咲いていました。

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 新田沢の終点近くになると、対岸にブナやホオノキが増え、鬱蒼とした広葉樹林となります。復路では、対岸の林内からアカショウビンの「キョロロロロ…」という特徴的なさえずりが聞こえてきました。ほんの2声のみでしたが、只見を代表する夏鳥であるアカショウビンが確認でき、一安心でした。今季はあまりアカショウビンの鳴き声がしないという町民の声が寄せられており、河川周辺の開発の影響が少し心配でもあります。

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 今回の野鳥観察会では、合計25種の野鳥が確認されました。ブナセンターからほんのすぐ近くにある渓谷でも、アカショウビンやセンダイムシクイ、オオルリなど様々な夏鳥が生息していることが分かりました。ご好評につき、また秋から初冬にかけても野鳥観察会を企画したいと思います。ご参加ありがとうございました。
posted by ブナ at 14:37| Comment(0) | 自然観察会

2022年06月27日

6/18 カエル観察会活動報告

2022年6月18日(土)、両生類を専門とする国立科学博物館動物研究部研究員の吉川夏彦氏を講師としてお招きし、夜の自然観察会「吉川さんと水田のカエルに会いに行く!」を開催しました。観察場所は瀧神社周辺の水田地帯。水辺に生息するカエルはもちろん、付近の森林からも繁殖のためにカエルが訪れます。

参加者の皆様の集合を待つ間、さっそく吉川氏がカエルを捕まえてきてくれました。

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アズマヒキガエル
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さっそくのカエルのお出ましに子供達も大興奮

アズマヒキガエルは比較的乾燥に強く、住宅地や学校内でも出会うことができるカエルです。

観察会開始時点の時刻ではまだ明るく、カエルの活動は活発ではありませんでした。鳴いているのはニホンアマガエルとツチガエル、加えてモリアオガエルの声が微かに聞こえる程度です。

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ツチガエル
ギュウギュウと鳴くツチガエル。捕まえると白い悪臭を放つ粘液を分泌して身を守ります。幼生で越冬するため、年間を通して水が維持された環境が必要です。田ノ口の水田は、中干しや冬季の落水が行われる乾田ですが、周囲の土水路が彼らの避難場所となっていると考えられます。

周囲が暗くなるまで、集水桝で生物の観察を行いました。ここではツチガエル、モリアオガエルの卵塊、アカハライモリ、トウホクサンショウウオの幼生などが見られました。
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アカハライモリ
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トウホクサンショウウオの幼生
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興味津々の参加者
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モリアオガエルの卵塊
メレンゲ状の卵塊を樹木に産み付けることで有名ですが、このように人工物や水田の畦などにも産卵します。水田によっては5月中旬から畦にずらりと白い泡が並ぶことも珍しくはありません。

集水桝でじっくりと生き物を観察しているうちに周囲はすっかり真っ暗に。聞こえてくるカエルの鳴き声の量も種類も増え、トノサマガエルやシュレーゲルアオガエルの鳴き声も聞くことができました。

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トノサマガエル
グルルルルと低い声で鳴くトノサマガエル。主に水田に生息するカエルです。かつては広く一般的に見られたカエルですが、乾田化の影響を受けて日本全国で急速に数を減らしています。
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大きくてかっこいいトノサマガエルは子供たちにも大人気

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鳴嚢を膨らませて鳴くニホンアマガエル

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シロマダラ
カエルではありませんが、最後にはこんな珍種も姿を見せてくれました。シロマダラは、白と黒の縞模様が特徴的な小型のヘビです。夜行性傾向が極めて強く、滅多に出会うことができません。小型の爬虫類しか食べない偏食家としても有名です。

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今回の観察会では、5種のカエル(ニホンアマガエル、トノサマガエル、ツチガエル、モリアオガエル、シュレーゲルアオガエル)の鳴き声を聴くことができました。また、カエル以外にも様々な貴重な生物を観察できたと思います。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。また、次の観察会でお会いしましょう。
posted by ブナ at 14:12| Comment(0) | イベント

2022年06月04日

5月29日 野鳥観察会(恵みの森周辺)開催報告

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 2022年5月29日(日)は布沢地区の「恵みの森」周辺において、「春から初夏の野鳥観察会」全3回のうち2回目を開催しました。前回より3名増の14名の参加者にお越しいただきました。当日は晴天となり、空模様こそ良かったものの、あいにくの強風でバードウォッチングには不向きの条件となり、種数は伸び悩みました。
 集合・解散場所は「恵みの森」駐車場とし、前半は「吉尾峠」への作業道を往復、後半は下流の堰堤への舗装道路を往復するコースをとりました。ホオノキやトチノキが白い花をたわわに咲かせ、エゾハルゼミの合唱が森中に響き渡っていました。
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 前回の黒谷川は広い視野が特徴のコースで、目視での探索や、双眼鏡の使用に慣れることを目指しました。今回は、布沢川の渓谷に沿ったやや視野の狭いコースです。季節も進み、すっかり植物が茂って、視界も十分に効かない中で「耳を頼りに」野鳥を探すというのが今回のコンセプトでした。
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▲ホオジロ

 さっそく、リズミカルで高く澄んださえずりが聞こえてきました。声のする方を探すと、スギの梢に鳴き声の主・ホオジロが見つかりました。今回、吉尾峠への作業道で最もよく観察された種です。林の縁に生息し、雄は「ソングポスト」と呼ばれるお気に入りの止まり場で高らかにさえずります。

 渓流と森林がセットになった環境なのでアカショウビンを狙いましたが、ついに確認できませんでした。強風のため肝心の音も掻き消えてしまいます。まして木の枝葉は風で揺れ動くので、姿の目視はほぼ不可能でした。それでも、川の対岸の落葉樹林から辛うじてシジュウカラや、渡り途中と考えられるオオムシクイのさえずりが聞けたのは幸運でした。川にいたオシドリのつがいが私たちに驚いて、上流方向へ飛んでいきます。

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▲ヒゲナガオトシブミ

 参加者のお子様は道中、フキバッタの幼虫など、昆虫をよく見つけてくれました。写真はヒゲナガオトシブミの雌。雄はひげ(触覚)も首もはるかに長いのが特徴です。

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▲オオルリ

 吉尾峠の終点で、伸びやかな美しいさえずりが聞こえてきました。渓流を代表する夏鳥・オオルリの登場です。オオルリは渓流周辺の森林に生息し、只見町では4月下旬から渡来し繁殖します。ホオジロ同様、雄はソングポストをもちます。ここでは落葉樹の枝先でさえずる雄が見られましたが、込み入った枝先におり、見つけるのは容易ではありませんでした。

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▲トビ

 猛禽類ではトビが多く、比較的低空を飛びながら餌を探している様子でした。その他にサシバとノスリも出現しましたが、折からの強風に煽られて、たちまち姿を消してしまいました。

 下流の堰堤へ向かうと止水環境があり、カルガモやカワセミが確認されました。また、アオバトの「オーアオー」という独特なさえずりが遠くから聞こえてきました。

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▲ノジコ(準絶滅危惧)

 復路、川沿いのヤナギ林からホオジロに似た、しかし若干長いさえずりが聞こえてきました。注意深く探すと、居ました!ヤナギの枝の陰にいたのは鳴き声の主・ノジコです。ノジコは日本でだけ繁殖する夏鳥で、その分布も局地的なことから、環境省レッドリストで準絶滅危惧に選定されています。只見町でも生息地は限られており、布沢地区はそんなノジコが繁殖する貴重なエリアなのです。この場所の近くでは昨年夏にノジコの幼鳥が確認されており、確実な繁殖地であることが分かっています。

▼今回の観察会で確認された鳥類のリスト
(クリックすると別ウィンドウで開きます)

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 今回の野鳥観察会では、合計21種の野鳥が確認されました。強風という悪条件に悩まされたものの、只見町を繁殖分布地とするオシドリやオオルリ、珍しいノジコなどの夏鳥が観察できました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
posted by ブナ at 16:02| Comment(0) | 自然観察会

2022年05月12日

自然観察会「春の花と新緑のブナ林観察会」開催報告

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毎年恒例、只見町ブナセンター春の自然観察会の報告です。2022年4月30日・5月1日の2日間、ゴールデンウイークの頭に残雪の残る森林内を歩きました。

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4月30日 春の花観察会
 温泉施設「湯ら里」の裏手に広がる余名沢の森林内を歩き、春植物を観察しました。幸い、雨もなくほどよい気温で天候には恵まれた観察会となりました。

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フクジュソウ

 森林に入る前、湯ら里の芝生広場で黄色い花を咲かせたフクジュソウに出会うことができました。只見町では最も早く開花する春植物です。パラボラアンテナのような形状の花を常に太陽に向けることで花を温め、暖をとりに来た昆虫に受粉させます。

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ミズナラ林の林縁でカタクリを観察する参加者

まだ開葉が始まっていないミズナラの二次林では、多くのカタクリを見ることができました。

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一方、かつて薪炭林として利用されていたブナ二次林では、林床の雪が解けているにも関わらず、春植物は見当たりません。春植物は、雪解けから樹木の葉が茂る前の短い間に花を咲かせ、種子を散布します。多年生である春植物は、その間に多くの日光を必要としますが、開葉が早いブナは、春植物が実を結ぶ前に林冠を覆ってしまいます。そのため、混みあったブナ二次林の中は、春植物が暮らしていくためには適さないのです。

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カタクリ

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キクザキイチゲ

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コシノコバイモ

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イワナシ

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キクザキイチゲの撮影をする参加者

ブナ林内とは打って変わって、陽当たりのよい用水路沿いの林縁では、カタクリ、キクザキイチゲ、コシノコバイモなどの春植物の他、可愛らしい常緑のイワナシの花も見られました。参加者の皆さんはここぞとばかりに撮影されていました。

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残雪が残るブナとスギの混交林での記念撮影(要明るさ調整)

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5月1日 新緑のブナ林観察会
5月1日(日)に癒しの森にて開催された「新緑のブナ林観察会」の模様をお届けします。

観察会当日の天候は雨予報でしたが、観察中は概ね曇り空で快適でした。
今回の観察地である「癒しの森」は標高約600mで、只見町と金山町の境界に位置し、只見町でおすすめのブナ林トレッキングコースの一つとなっています。癒しの森は、カラマツ人工林、コナラ・ミズナラ林、スギ人工林、最奥に原生林に近いブナ林と伐採後に自然再生したブナ二次林が広がっています。
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松坂峠の入口から歩き始めると、すぐにカラマツ人工林の脇に出ました。さらにしばらく歩くとスギの人工林が見えてきました。スギは優良な建築用材になり、家屋の柱や建具として利用されてきました。カラマツは柱と柱をつなぐ梁や合板材として、近年のウッドショックで輸入が激減している米マツに代わって、需要が増大しています。
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ブナ林に入ると今年の雪で倒れたオオヤマザクラが花を咲かしていました。オオヤマザクラはヤマザクラに比べて、北方や標高の高い場所に分布していることが特徴です。新緑のブナ林の中で薄紅色の花はとても美しかったです。
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ブナが優占するエリアでは、原生的なブナ林とかつて薪炭利用されていた二次林のブナを観察することができます。また、スギが植栽された後に自然再生してきたブナが混交した林もあります。類似した環境に生育するスギとブナですが、枝葉の広がりである樹冠の特徴が異なります。ブナの樹冠は幹の上空を広く覆いますが、スギは尖った形です。そのため、スギとブナが同じような高さで接すると、ブナの樹冠がスギを覆います。また、ブナとスギが混交した林の中で大きなミズナラが枯れると、開いた空間は拡張してきたブナの樹冠で覆われます。
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コースの終盤では、ヤマナシの名前でジャムになっているオオウラジロノキの巨木を観察しました。その先は、カシノナガキクイムシが原因で枯れたミズナラの木の枝が落下する恐れがあったため、トレッキングコースの折り返し地点である「大岐の戸板山眺め」までは行かずに、少し手前で引き返しました。

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新緑のブナ林を背景に記念撮影。残雪と新緑のコントラストを楽しみながら、春のブナ林を満喫した観察会になりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
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ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。冒頭で述べましたように本観察会は毎年恒例の観察会となっております。機会がございましたら是非ご参加ください。職員一同、皆さまのご参加をお待ちしております。
posted by ブナ at 16:47| Comment(1) | イベント