「あめ」は、もち米デンプンと、モヤシ(麦芽)のアミラーゼとの糖化作用を利用して作られるみずあめのような食べ物です。
砂糖は一切使いませんが、素朴な甘みが特徴で老若男女から好まれるお菓子なんです。
まずはもち米を蒸かして、ぬるま湯を加えます。
もち米を大量に使う贅沢なお菓子ですね。
そこにモヤシを加えて7〜8時間ほど保温すると、ほんのり甘い匂いが漂い始め、こんな色に変わります。
これをこして、何時間も煮詰めていくんです。
最終的にはこんなにきれいな琥珀色に変わりました。

これが只見町の「あめ」です。
あめはゆるく、たぐり飴のようにたぐることはできないため、只見町では「あめを飲む」と言われます。
その際、好みでしぼったもち米のカスを混ぜて飲みます。
結構な甘さがあるのですが、昔はこれを茶碗でおかわりして飲んだんだとか・・・
また大寒の水で作ったあめは悪くならず、これを飲むと風邪をひかないと言われていました。
そして、あめに欠かせないのが「あめよばれ」です。
あめの時期になると、家々の女性たちが互いに呼び合い、あめを飲んだり、漬物や煮物をつまみながらおしゃべりを楽しむ風習です。
現代でいう女子会ですね。
雪が降り積もる寒い冬に、こたつでは世間話に花が咲く。
ほっこり温まる冬の行事です。