2016年03月11日

あめ

今日は只見町の郷土食である「あめ」をご紹介します。
「あめ」は、もち米デンプンと、モヤシ(麦芽)のアミラーゼとの糖化作用を利用して作られるみずあめのような食べ物です。
砂糖は一切使いませんが、素朴な甘みが特徴で老若男女から好まれるお菓子なんです。

まずはもち米を蒸かして、ぬるま湯を加えます。
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もち米を大量に使う贅沢なお菓子ですね。

そこにモヤシを加えて7〜8時間ほど保温すると、ほんのり甘い匂いが漂い始め、こんな色に変わります。
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これをこして、何時間も煮詰めていくんです。
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最終的にはこんなにきれいな琥珀色に変わりました。
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これが只見町の「あめ」です。
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あめはゆるく、たぐり飴のようにたぐることはできないため、只見町では「あめを飲む」と言われます。
その際、好みでしぼったもち米のカスを混ぜて飲みます。
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結構な甘さがあるのですが、昔はこれを茶碗でおかわりして飲んだんだとか・・・
また大寒の水で作ったあめは悪くならず、これを飲むと風邪をひかないと言われていました。

そして、あめに欠かせないのが「あめよばれ」です。
あめの時期になると、家々の女性たちが互いに呼び合い、あめを飲んだり、漬物や煮物をつまみながらおしゃべりを楽しむ風習です。
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現代でいう女子会ですね。
雪が降り積もる寒い冬に、こたつでは世間話に花が咲く。
ほっこり温まる冬の行事です。
posted by ブナ at 17:13| Comment(2) |

2014年02月17日

飴よばれ

雪害のニュースが毎日のように報道されていますが、現在の只見の積雪は197cm。

昨年の2月には町の中心部でも341cmを記録していたので、今年はまだまだ少ない方です。

地震や竜巻に続いて大雪・・・ 世界中が異常気象なんですね・・・



先週の14日、只見町内の叶津番所で「飴よばれ」があったので行ってきました!
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今の只見は写真よりもっと雪が積もっていますよ〜・・・

「飴よばれ」の飴とは「水飴」のことで、この時期に水飴を作ることから始まる只見の伝統行事です^^

毎年寒の時期に各家で水飴を作り、出来上がると近隣の女性を呼び合ってそれぞれの飴を楽しみます。

飴の他にも煮物や漬物など、自慢の料理をふるまっておしゃべりを楽しむんだそうです^^

この日も飴のほかに漬物がいっぱい並んでいました。
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長い冬の楽しみ、昔から続く女子会ですね!!


また、水飴を作る際に砂糖は使わず、

もち米とモヤシ(麦の芽を乾燥させて粉にしたもの)だけで作る優しい甘さが素晴らしいんですよ〜

こちらが只見の飴です!
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キレイな琥珀色をしています^^

写真は小さな茶碗ですが、昔はごはん茶碗にたっぷり入れて飲んだそうですよ!

また、好みで作る際に出たもち米のしぼりカスを飴に混ぜていただきます^^

カスを入れてもまた美味しいんですよ〜



この日は昔の越後(新潟)と只見の境の番所だった「叶津番所」での飴よばれだったので

こんな情緒ある囲炉裏での飴を楽しめました!
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番所の窓から見える景色は真っ白な雪景色。
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寒の水で作った水飴はカビることなく長持ちするとか、体が丈夫になると言われているんです。

寒い冬の中、心がほっこりするような只見の伝統行事ですね^^
posted by ブナ at 17:40| Comment(5) |

2013年12月12日

ホッケ漬け

今日の只見は雪が降りました!!
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只見の雪の特徴は「ボタ雪」!!
すごい大きさの雪がモッサモッサと振りますよ〜
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ブナセンターの休憩室から見える景色もこのようになりました。

昨日のブログでニシン漬けを紹介しましたが、今日はホッケを漬けていました。
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作り方はニシンと一緒で、しきつめたホッケをばぁちゃんが「ギュッギュッギュッ」と押しています。

塩加減は各家のばぁちゃん達の長年の勘です!

このホッケも重しを乗せて蔵で数週間発酵させ、熟れたらいただきます。

発酵の力で魚もやわらかくなり、こんがりと焼いて食べるホッケは絶品ですよ^^

昔からの保存の知恵であり貴重な食文化ですが、只見の冬の楽しみの一つですね。
posted by ブナ at 16:50| Comment(3) |

2013年12月11日

ニシン漬け

只見は今日も晴れました^^

今日は只見のニシン漬けを紹介します。

今はスーパーに行けば年中食品が買えますが、昔は冬期間は物流がなくなってしまうため、

様々な保存食を作って暮らしていました。


ニシン漬けもそんな保存食の一つです。

数週間漬けて発酵させるのですが、とても美味しいので現在も町民に好まれ、作られています。

材料は「身欠きニシン」「炊いたご飯」「麹」「山椒」「塩」です。

昔は車もなかったので、魚も生ではなうく、干してあるニシンを使いました。

ニシンは水に浸して戻し、洗って適当な大きさに切っておきます。

まず温かいご飯と麹・塩を混ぜて味を調え、乾燥させて保存しておいた山椒の葉を混ぜ合わせます。
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桶の底にササの葉をしきつめ、その上に山椒と混ぜたご飯の層を作り、ニシンをのせます。
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今回は塩漬けにしておいた「マスタケ」もニシンと一緒に漬け込みます。
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食感もよく、「これ入れっとうめぇだ〜」と重宝されていました^^

ご飯→ニシン→ご飯→の順に層を重ねていき、最後に落し蓋と重りを乗せて

数週間漬けこみ、よく熟れたら完成です。

ご飯のおともやお茶うけにも人気の一品です^^
posted by ブナ at 17:06| Comment(4) |

2013年11月28日

豆落とし

今日の只見は雨からみぞれになりました・・・

日に日に朝起きるのが億劫になりますね^^;


数日前の晴れ間に、こんな光景に出合いました。
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「豆落とし」です^^
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美味しそうな黒豆が転がっていましたよ〜

青空の下、蚊帳の中でばあちゃんが「バンッ!バンッ!バンッ!」と豆のついた枝を叩きつけていました。
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枝を叩きつけ、さらに手前に見える木の棒でバシバシ叩いて豆を落とします。


この豆落としの作業は秋の只見ではあちこちで見ることができます。
道路にシートを広げて、じいちゃんやばあちゃん達がバシバシやってますよ〜
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蚊帳の中にいるのは豆が飛び出していかないようにだそうです。

昨年はトタンで小さな小屋を作っていましたが、大がかりで大変なので、
今年は軽くて簡単な蚊帳のテントを見つけたんだと嬉しそうに話していました。

何気なく食べていた美味しい豆も全部手作業で収穫されていたんですね。

ほっこりする只見の風物詩です^^
posted by ブナ at 18:01| Comment(2) |