2025年10月26日(日)、新潟大学名誉教授の箕口秀夫博士を迎え、只見町ブナセンター観察会を余名沢の森にて開催しました。雨の中での開催となりましたが、町内外より18名の方にご参加いただきました。
今回の観察会では道中、前日に仕掛けておいたシャーマントラップ(小型哺乳類の捕獲用トラップ)の確認を行いました。(注意:ネズミ類の捕獲は県の許可を得て実施しております。)実は、昨年も同様にネズミを観察する観察会を開催しましたが、その時は一匹も捕獲できず観察できずに終ってしました。今回はそのリベンジの観察会でもありました。昨年観察できなかった要因の一つとして、天候がありました。昨年はトラップを仕掛けてから観察会当日まで晴れの天気でした。しかし、ネズミにとっては晴れの日は天敵に狙われやすく行動が活発ではありません。一方、雨などの天気が良くない日は行動が活発になります。今回はトラップを仕掛けてからの天候は雨です。結果はいかに・・・。
見事、今回はトラップにはアカネズミとヒメネズミが捕獲されておりました!(ネズミさんたちにはだましてごめんなさい。いい迷惑ですね・・・)。箕口博士の解説で、両者の毛の色・耳の形・尾の長さの違いを見比べながら観察することができました。
さらに、捕獲したネズミを逃がす際は逃げていく場所に注目し、地上で暮らすアカネズミは走って草むらに逃げ込み、樹上で活動することも多いヒメネズミは木を登って逃げていく様子を観察することができました。
また、遊歩道にはツキノワグマが齧ったと思われる標柱や、ツキノワグマの毛が付着した標柱の破片も見つかり、箕口博士よりツキノワグマの縄張りの主張に関連した行動についての解説も伺うことが出来ました。
箕口博士、並びにご参加下さった皆様、誠にありがとうございました。
2025年11月13日
観察会「秋のブナ林観察会〜秋の実りと哺乳類〜」開催報告
posted by ブナ at 09:53| 自然観察会
2025年09月20日
只見町ブナセンター自然観察会「渓流が流れるブナ林を楽しむ」開催報告
9月7日(日)に布沢・恵みの森にて、只見町ブナセンター主催の初秋のブナ林観察会「渓流が流れるブナ林を楽しむ」を開催しました。町内外から33名の方が参加されました。観察会では、前日のブナセンター講座「イワナを育むブナの森:森と川のつながりを知る」で講師を務めていただいた河口洋一博士(新潟大学佐渡自然共生科学センター教授)に同行していただき、大滝沢沿いのブナ林を歩きながら、川辺の生態系について解説していただきました。
沢の中の倒木により溜まった枝葉は、水生昆虫たちのエサになります。また倒木はイワナの隠れ場所としても機能します。何気ない沢の景色の中にも森、川、生き物の関係があります。
渓流の中には、ブナ、トチノキ、サワグルミ、カエデ類などの大きさ・形などが異なる様々な種類の葉が堆積しています。ブナとカエデの葉を拾い上げ観察してみると、分解の進行具合に違いが見られました。ブナの葉に比べてカエデ類の葉はやわらかいので、葉の分解が速く進んでいます。
沢の中の落ち葉を網ですくいあげて観察すると、ヘビトンボの幼虫やカワゲラの幼虫、ヤゴなどが確認できました。また、石をめくるとカゲロウの幼虫が張り付いていました。こうした昆虫は、イワナなどの餌として重要です。
イワナが生育するためには、水温が20℃以下である必要があります。河口博士は水に手を入れて沢の水温が15℃ぐらいと予測をしていました。渓畔林が日光を遮ることにより、渓流の水温が低く保たれています。また渓畔林から沢に落ちる昆虫類も、イワナにとって大切なエサになります。
イワナは、沢の淵(流れのゆるい場所)から瀬(流れの速い場所)にかけた場所で穴を掘り産卵をします。淵から瀬のような場所は、流水により酸素が運ばれるため、卵の孵化に適した環境となっています。
この一見すると、砂粒の塊にしか見えないものの中にはトビケラがいます。夏は陸上からの落ち葉などの供給が少ないため、今回観察した水生昆虫は、サイズの小さい個体が多かったです。これから冬にかけて、落葉が増えることや、落葉により沢に光が差し込み藻類が増えることで、それを食べる水生昆虫が成長していく環境が作られていきます。
まだ暑い日が続きますが、恵みの森の中は水の流れがあり涼やかで、気持ちよく歩くことができました。解説いただいた河口博士、大変ありがとうございました。また、ご参加いただいた皆さまもありがとうございました。またのご参加をお待ちしております。
▲恵みの森のブナ林を観察する
沢の中の倒木により溜まった枝葉は、水生昆虫たちのエサになります。また倒木はイワナの隠れ場所としても機能します。何気ない沢の景色の中にも森、川、生き物の関係があります。
▲渓流の倒木や樹木の役割を話す河口洋一博士
渓流の中には、ブナ、トチノキ、サワグルミ、カエデ類などの大きさ・形などが異なる様々な種類の葉が堆積しています。ブナとカエデの葉を拾い上げ観察してみると、分解の進行具合に違いが見られました。ブナの葉に比べてカエデ類の葉はやわらかいので、葉の分解が速く進んでいます。
▲ブナの葉(左)とカエデの葉(右)
沢の中の落ち葉を網ですくいあげて観察すると、ヘビトンボの幼虫やカワゲラの幼虫、ヤゴなどが確認できました。また、石をめくるとカゲロウの幼虫が張り付いていました。こうした昆虫は、イワナなどの餌として重要です。
▲水生昆虫に興味津々の子供たち
▲ヘビトンボの幼虫
イワナが生育するためには、水温が20℃以下である必要があります。河口博士は水に手を入れて沢の水温が15℃ぐらいと予測をしていました。渓畔林が日光を遮ることにより、渓流の水温が低く保たれています。また渓畔林から沢に落ちる昆虫類も、イワナにとって大切なエサになります。
▲水温を予測する河口博士
▲木漏れ日で輝く沢を歩く参加者
イワナは、沢の淵(流れのゆるい場所)から瀬(流れの速い場所)にかけた場所で穴を掘り産卵をします。淵から瀬のような場所は、流水により酸素が運ばれるため、卵の孵化に適した環境となっています。
▲イワナの産卵環境に重要な瀬と淵の解説
この一見すると、砂粒の塊にしか見えないものの中にはトビケラがいます。夏は陸上からの落ち葉などの供給が少ないため、今回観察した水生昆虫は、サイズの小さい個体が多かったです。これから冬にかけて、落葉が増えることや、落葉により沢に光が差し込み藻類が増えることで、それを食べる水生昆虫が成長していく環境が作られていきます。
▲砂粒で作られたトビケラの巣
まだ暑い日が続きますが、恵みの森の中は水の流れがあり涼やかで、気持ちよく歩くことができました。解説いただいた河口博士、大変ありがとうございました。また、ご参加いただいた皆さまもありがとうございました。またのご参加をお待ちしております。
posted by ブナ at 13:30| 自然観察会
2025年07月28日
<夏のブナ林観察会part2(7/27開催報告)>
7月27日(日)、夏のブナ林観察会part2をただみ観察の森・梁取のブナ林(学びの森)で開催し、ブナ林の中をゆっくり散策しながら、ブナ林に生育する多様な樹木の種類について紹介しました。Part2というのは1か月前の6/28(土)に開催した観察会で樹木を観察しきれず、これの続編という形で開催したためです。参加者は11名でした。暑い日が続いており、この日も高温になることが予報されていましたが、ブナ林の中は日陰で、程よく風もあり、過ごしやすいコンディションでした。
観察会では、紙谷館長が、それぞれの樹木の特徴や名前の由来、人間による利用に関して、丁寧に解説しました。ブナ林の中ではアカネズミにより種子が運ばれたと思われるクリの稚樹や、クワカミキリによる食痕から樹液を流しているブナを見ることが出来た他、ブナの根を介して共生関係にあるキノコのタマゴタケも観察できました。
途中の休憩では、ブナセンターが民間の皆さんと協力して行っているブナ林ブレンドプロジェクト(ブナ林に生育するブナ・オオバクロモジ・アブラチャン・キブシの枝葉をブレンドした商品開発プロジェクト)の中で開発されたお茶の試飲が行われました。冷えたブナ林ブレンドのお茶は爽やかで、森を感じられると皆様から好評価をいただきました。販売開始されることが楽しみです。
本日ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
観察会では、紙谷館長が、それぞれの樹木の特徴や名前の由来、人間による利用に関して、丁寧に解説しました。ブナ林の中ではアカネズミにより種子が運ばれたと思われるクリの稚樹や、クワカミキリによる食痕から樹液を流しているブナを見ることが出来た他、ブナの根を介して共生関係にあるキノコのタマゴタケも観察できました。
途中の休憩では、ブナセンターが民間の皆さんと協力して行っているブナ林ブレンドプロジェクト(ブナ林に生育するブナ・オオバクロモジ・アブラチャン・キブシの枝葉をブレンドした商品開発プロジェクト)の中で開発されたお茶の試飲が行われました。冷えたブナ林ブレンドのお茶は爽やかで、森を感じられると皆様から好評価をいただきました。販売開始されることが楽しみです。
本日ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
キブシの説明を行う紙谷館長とそれをメモする参加者の皆様
梁取のブナ二次林
斜面に自生していたブナと地表に露出していた支持根
ブナと共生関係にあるタマゴタケ
ブナの根元から生えたひこばえを観察
ブナの森とナラの森の境目
ブナ林ブレンドプロジェクトで作られたお茶で一服
ナラ枯れに関する説明を行う中野主任指導員
ナラ枯れを起こしたあがりこ型樹形のコナラ。
アクシバの花
オオカメノキの果実
タムシバ(別名ニオイコブシ)の果実。果実の形が拳に似ることが名前の由来。
キタゴヨウの稚樹
posted by ブナ at 11:57| 自然観察会
2025年05月06日
4/27(日)「ブナ林の新緑観察会」開催報告
4月27日(日)に癒しの森にて毎年恒例の新緑のブナ林観察会を実施し、町内外から9名が参加しました。林内にはまだ多くの残雪があり、ブナの新緑と残雪のコントラストを楽しむことができました。
道中では、秋に落ちたヤマナシ(オオウラジロノキ)の果実や、ブナの花を観察しながら目的のブナ林まで進み、あまり人の手が入っていない原生林に近い自然林と、伐採後に再生した二次林を観察・比較した後、戸板山眺めで咲き始めのオオイワウチワの花を楽しんでから折り返しました。
只見らしい残雪と新緑のブナ林を体験できた観察会となりました。
参加いただいた皆様ありがとうございました。次回の観察会も是非ご参加ください。
道中では、秋に落ちたヤマナシ(オオウラジロノキ)の果実や、ブナの花を観察しながら目的のブナ林まで進み、あまり人の手が入っていない原生林に近い自然林と、伐採後に再生した二次林を観察・比較した後、戸板山眺めで咲き始めのオオイワウチワの花を楽しんでから折り返しました。
只見らしい残雪と新緑のブナ林を体験できた観察会となりました。
参加いただいた皆様ありがとうございました。次回の観察会も是非ご参加ください。
posted by ブナ at 13:31| 自然観察会
4/26(土)「野生植物の花観察会」開催報告
4月26日(土)に黒谷入地区で春の花観察会を開催し、町内外から16名の方が参加しました。当初は深沢地区で開催予定でしたが、残雪が多かったため観察地を変更しての開催となりました。
春らしい気持ちの良い天気の中、カタクリ、キクザキイチゲ等の春植物が花を咲かせており、フクジュソウは一面の絨毯となって咲き乱れ、参加者からは感嘆の声が上がりました。絶滅危惧種のユビソヤナギの観察も行い、河川環境との関係も理解を深めました。
また、雪食地形と残雪、ブナの新緑、オオヤマザクラの花などが組み合わさったこの季節ならではの美しく只見らしい景観も楽しむことができた観察会となりました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
春らしい気持ちの良い天気の中、カタクリ、キクザキイチゲ等の春植物が花を咲かせており、フクジュソウは一面の絨毯となって咲き乱れ、参加者からは感嘆の声が上がりました。絶滅危惧種のユビソヤナギの観察も行い、河川環境との関係も理解を深めました。
また、雪食地形と残雪、ブナの新緑、オオヤマザクラの花などが組み合わさったこの季節ならではの美しく只見らしい景観も楽しむことができた観察会となりました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
posted by ブナ at 13:19| 自然観察会