2019年04月30日

自然観察会「新緑のブナ林を歩く」

4月29日(月)に布沢にある癒しの森で、春の自然観察会を実施しました。

この日は天気が良く、午前9時頃の時点で気温が15度もありました。
癒しの森駐車場で集合し、準備運動や観察会の注意事項などを確認すると、さっそく癒しの森の中に入っていきました。
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癒しの森にはまだ雪が残っておりましたが、木々の根本にはぽっかりと雪がない「ネアキ」と呼ばれる隙間があります。幹周りの雪が早く解ける主な理由は諸説ありますが、どんなに暖かくなっても雪の表面温度が0℃で保たれるのに対して、幹の表面は日差しを吸収して温度が上昇しやすいため、雪面と大きな温度差が生じることが一つの理由と考えられています。うっかりこの隙間に足を滑らせてしまうと危険な場合があります。

下の写真の右側の木の根に見られるのがネアキです。
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ブナ林が見えてきたところで、ブナの樹の特徴を説明しました。

ブナは日本列島の冷温帯落葉広葉樹林を構成する代表的な樹種であり、日本海側の多雪地域を中心に分布しています。ブナの結実は、基本的には隔年結実で、5−7年に一度豊作年があります(昨年の只見は豊作年にあたりました)。また、積雪は、ブナの堅果をげっ歯類からの捕食から守ったり、乾燥から防いでくれるなど、ブナの「更新」(自然に落下した種子から樹木が成長すること)に役立っています。

ブナの生育にとって雪は非常に重要な要素であるといえます。
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癒しの森を歩いていると、鳥の鳴き声がよく聞こえてきます。
この日は、ドラミングと呼ばれるキツツキ類が木をつつく音や、イカルの鳴き声が聞こえてきました。

「国界の大ブナ」と呼ばれる交流広場に到着しました。
こちらは、大ブナが倒れたことにより、空を見上げると、空間がぽっかりあいているのがわかります。その結果、ブナによって遮られていた日差しが地面にまで降り注ぎ、タラノキなどの陽樹が新たに生育していました。一本の樹の動向が森の様々な動植物に影響を与えることで、森自体が日々変化しているのだと気付かされます。
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「青春広場」に着きました。只見町出身のお客様の中には、子どものときによくここまで遊びに来たという方もいらっしゃいました。この青春広場では、ブナの「二次林」(一度伐採された後に再生した林)が見渡せます。これらのブナをよく観察すると、同じ時期に更新したにも関わらず、高さにばらつきがあるのがわかります。
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林床にはエゾユズリハやヒメアオキなどのいわゆる日本海要素と呼ばれる常緑低木が生育しています。これら常緑の植物が厳しい冬を越せるのは、やはり積雪が冬季の低温や乾燥から守ってくれているからと考えられます。
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ようやく、「大岐 戸坂山 眺め」までたどり着くことができました。ここで待ちに待ったお昼休憩です。
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帰り道は、タムシバという白い花を咲かせる樹木や、只見では地肌がざらざらしていることから「ジサガラ」と呼ばれるケアブラチャンの良い香りを楽しみながら、みなさんで記念写真を撮りました。
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天気も良く、とても気持ちの良い観察会になりました。
ぜひまたご参加していただければ幸いです。

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2019年04月29日

春の自然観察会「春の花観察会」

 4月28日に蒲生かたくり公園とその周辺で、「春の花観察会」を開催しました。毎年ゴールデンウィークに、春の自然観察会として春植物の観察会を実施しています。今回は、蒲生かたくり公園と周辺のブナ林で春植物を観察し、蒲生の農村風景を楽しみながら歩きました。当日の様子をお伝えします。

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会津のマッターホルンと称される蒲生岳

 かたくり公園では、カタクリ、フクジュソウ、キクザキイチゲ、エゾエンゴサク、コシノコバイモなど只見で見られる代表的な春植物の生活史を説明しました。

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蒲生川上流、大倉山の残雪とカタクリ群落

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クリ林のカタクリ群落を歩く

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カタクリ

 かたくり公園から蒲生岳の登山道を少し登ると、小規模のブナ林があります。そこでは、ユキツバキの花や、ブナの芽吹きを観察しました。

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かたくり公園から歩いて5分ほどでブナ林に着く

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春の日差しに包まれ、ブナ林もようやく色づき始めた

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ユキツバキ

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ケアブラチャンの花が蒲生岳の斜面を黄色く染め上げる

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蒲生岳を背景に集合写真

 かたくり公園周辺では、上記の春植物から少し遅れて開花するニリンソウの花も見られました。また、場所によって植物の顔ぶれも異なり、それぞれの種に好適な生育条件があることを説明しました。
 
 今年は積雪が少なかったので、例年より時期を早めての観察会となりましたが、無事に只見の春植物を観察することができました。参加いただきありがとうございました。
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2019年03月22日

ブナセンター講座「只見の自然を食べるー只見町の食文化の特徴」

 3月21日、企画展アーカイブ「只見の自然を食べる」に関連して、ブナセンター講座「只見の自然を食べるー只見の食文化の特徴」を開催しました。
 講師には、福島の食文化研究家である平出美穂子氏をお招きし、今回の講座では、只見町の食文化にはどのような特徴があるかについてお話しいただきました。

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 はじめに、自然食とはどういったものかについて前置きがあり、その後只見町の食の特徴や只見町の年中行事からみた自然食についてお話がありました。只見町は、豊かな自然に囲まれており、その自然を大切にしながら食してきた町です。只見で食べられている山や四季折々の里の恵みが紹介され、改めてたくさんの恵みを利用していることを実感しました。
 講座の最後の30分間はグループワークを行いました。「只見町の自然食を残していくにはどうしたらいいかみんなで考えよう」というテーマに沿って、初めに個人でアイディアを考え、その後、グループで意見交換をし、まとめたものを発表しました。

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グループごとの発表では、様々な意見がみられ、中でも「給食に自然食を提供する」「料理教室を開く」といった意見が多く見られ、次世代に自然食を触れてもらう機会が必要と感じている人が多いことを感じました。

今回の講座では19名の方にご参加いただきましたが、只見町の出身ではない人が多く、只見町の食文化がどういったものかを知ってもらい、またそれをどうすれば只見町の食文化を残していけるかを考える有意義な時間となりました。
posted by ブナ at 11:17| Comment(0) | イベント

2019年03月13日

自然観察会「只見の冬を体感しよう−深沢集落余名沢のブナ林」

3月10日(日)に深沢集落にある余名沢のブナ林で自然観察会を実施しました。

季の郷湯ら里に集合し、スノーシューを履いて観察場所に向かいました。参加者の中にはツメカンジキを履いている方もいました。ツメカンジキは左右についた木製の爪が堅い雪面に刺さり、滑りません。また、この時期は、日中に解けた雪が夜の冷え込みで凍り、堅雪になります。堅雪の上は靴のままで歩くことができほど堅いので長靴で歩かれる方も何人かいらっしゃいました。
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準備を整えていざ出発

ブナ林までは、水路脇を通る散策路沿いに進みます。斜面の雪は融けて灌木が顔を出していました。冬期には樹木の多くが落葉するので見るものが無いような感じがしますが、植物たちは春に向けて着々と準備しています。それが冬芽です。
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冬芽は冬の寒さや乾燥からら芽や花を守っています。
冬芽には、樹木によって大きな特徴があり、樹種を見分けるために重要な手掛かりになります。
芽鱗や毛で覆われているもの、葉芽と花芽が別々につくもの、その形も様々です。
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芽鱗に覆われているブナの冬芽

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毛に覆われているが葉の形が見えるオオカメノキの冬芽

冬芽を観察しながら歩くこと1時間ようやく目的地の余名沢のブナ林に到着しました。ブナ林は丘陵になっており、小規模ではありますがブナの純林になっています。雪の上には昨年の葉や殻斗、堅果が落ちていました。
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木の周りは同心円状に雪が消えています。これを「根あけ」といいます。樹体が日を受けて他よりも温度が高くなることや樹幹流により他よりも雪解けが早いことによって生じます。また、雪に覆われしなっている木や根曲りが見られるものもありました。
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根あけ

スノーシューやかんじきを履いて雪の残る時期に観察会を実施し、冬の時期だからこそ見られる樹木の様子を観察することができました。観察会には20名の方が県外からもご参加いただきました。小雪、暖冬とゆうことで心配していましたが無事に実施できてよかったです。
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P.S.
雪解けが早いということで、町内の様子を見に行くと早い場所ではフクジュソウが咲いていました。今年の春植物の開花は例年よりもだいぶ早そうです。
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2019年02月24日

只見ユネスコエコパーク展 開催!


本日、千葉県柏市で只見ユネスコエコパーク展がはじまりました。

このユネスコエコパーク展では、只見ユネスコエコパークの自然や伝統的な生活文化の概要、現在推進している関連事業などを紹介しています。また、関連事業の中で開発した「自然首都・只見」伝承産品、只見町ブナセンターの出版物などを展示しています。

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展示室入り口

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展示室の様子

会場:パレット柏 多目的スペースA
(〒277-0005 千葉県柏市柏1丁目7−1 301 号 DayOneタワー3 階)
期間:2月24日(日)より3月2日(土)
開場時間:9:00〜21:00 
※ただし、2月24日(日)12:00〜21:00、3月2日(土)9:00〜12:00
主催:只見町
後援:福島県、柏市、只見ユネスコエコパーク推進協議会

期間は少し短いですが、お近くにお住まいの方や近くに寄られた際はぜひ立ち寄ってみてください!



posted by ブナ at 16:36| Comment(0) | イベント