3月2日(日)、福島県立博物館主催、只見町ブナセンター共催で「福島藝術計画2024『雪と歩く -冬の空、冬の森-』」のアートワークショップをただみ・ブナと川のミュージアムで開催しました。
講師にはアーティストの岩田とも子さんをお迎えし、町内外から29名の方(大人13名、子供16名)にご参加いただきました。

アーティストの岩田さん(右)とコーディネートしてくださった福島県立博物館の西尾さん(左)

たくさんの方に参加いただきました。中にはイタリアからも。
今回のワークショップのテーマは冬らしくずばり「雪」です。今年は本当によく降りました。只見あるいは奥会津の子供達にとっては当たり前の雪ですが、雪って一体何なのか、積もった雪はどうなるのか、とけた雪はどうなるのか、などを観察したりしながら、それを元に創作活動を行いました。
まず、野外にて雪の観察をしました。当日は雪が降っていなかったのですが、ブナセンターの職員の案内で、雪って何だろう、降ってくる雪の結晶にはどんな形があるのだろう、空の気温や水蒸気の量で様々な雪の結晶の形にになるんだね、といった話を聞きました。

意外と知らない雪のことを知る
次に、降り積もった雪がどうなるかを観察します。降り積もった雪を観察するために事前に準備をしておいた積雪断面を観察しました(これは2月15日開催した観察会で新潟大学名誉教授の箕口秀夫博士に教えてもらったものを早速ブナセンター職員で実施してみました)。今年の只見町の積雪は最大325cmに達しました。過去4番目の多さです。積雪断面をみるとその量に改めて驚きます。降り積もった雪は時間や気温、雪の自重の影響を受けながら、おおまかに新雪、しまり雪、ざらめ雪へと変化していきます。この様子を積雪断面に色をつけることでわかりやすく観察することができます。

この日の積雪は250cmでした

子供達にとってはまさに雪の壁です
最後に館内に入り、降り積もった雪が生き物にどのような影響を与えるのか、解けた雪はどこへ行くのかを観察しました。大量の雪の中ではブナが林の中で一人勝ちする話、ユキツバキは雪で寒さから身を守っている話、雪解け水は、ブナ林の土壌で溜まり、植物の成長に必要な水分となり、ゆっくりと移動しては、やがて沢となり、川となり、私たちの飲み水にもなっていること。

館内の見学
観察を終えたら、休憩を挟み、岩田さんの案内で創作活動を行いました。前半で観察した雪のことを参考に、空の雪、地面に降り積もった雪、とけた後の雪の様子などを描いて表現します。使う道具は、白いアクリル絵の具、透明のアクリル板、そして自分の指です。白いアクリル絵の具を自分の指につけ、アクリル板に雪を描いていきます。

説明する岩田さん

アクリル板に雪を描く
指先につけたアクリル絵の具をちょん、ちょん、ちょんとアクリル版につけるだけで、不思議と雪が降っている様子になります。見方を変えれば、足跡のようにも見えます。そう、今回のワークショップのタイトル、「雪と歩く」はこういうことだったのです。

練習に画用紙に描いてみる

指に絵の具をつけるのも楽しい体験

夢中に描く姿が素敵です

外の景色を背景に描くと、まるで空に雪を降らせているよう

降り積もった雪を描く

とけた雪がどうなっていくかも想像して描きました
作品が完成したらみんなの前で作品のポイントを発表です。発表が恥ずかしくても岩田さんが優しく聞き出してくれます。

作品を発表

恥ずかしくても大丈夫
短い時間の中で、集中してたくさんの素敵な作品を作っていただきました。

最後はみんなで記念撮影
岩田さん、福島県立博物館の皆様、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。