2014年11月09日

ブナセンター講座「古民家解体から見えてくるもの」

 ブナセンター講座「古民家解体から見えてくるもの」が11月8日(土)に開催されました。講師は、富山大学准教授の奥 敬一氏です。町内の方を中心に28名にご参加いただきました。

DSC_5447_R.JPG

 奥氏は、京都丹後半島の1軒の古民家を解体する調査研究を行いました。この地域の民家の最大の特徴は、ササ葺きの屋根です。使用するササは、集落内の薪炭林の伐採後に生えるササや、林床のササを使います。このササの採取は、林の林床を明るくするほか、ササ以外の植物の生育を促すという薪炭林の管理にもなっていたというので、とても合理的です!葺き替えの際に大量に必要になるササは、集落の各戸から人を出して刈ったそうで、只見町のマワリカワ制度を思い起こさせます。

 民家の解体は、特に建材の種類に注目して行われました。人の住む部分の材にはマツが多く、次いでクリ、大黒柱など人目につきやすいところにはヒノキが使われていることがわかりました。屋根の小屋組みには、クリのほかコシアブラ、シデ、コナラ、マダケ、ホオノキ、サクラ、ネムノキなど様々な樹種が使われており、中には曲がった細い木なども利用されていたとのこと!これらの樹種は周囲の里山で採れるもので「上世屋(調査地の地名)の民家は里山の若い“雑木林”そのものだった」と奥氏は表現されました。建材の樹種を決めるのは、大工ではなく、木挽き屋であったというのも興味深い話です。他の地域のお話ですが、ブナやコナラをつかった民家もあり、この民家が建てられた土地では、家の建て替えのためのブナを用心山として残す風習があったそうです。

 最後に、大学生が行った古民家の再生の取り組みについてお話しいただき、古民家を題材として、様々な活動ができるという可能性を示して下さいました。参加者からはたくさんの質問があがり、大いに盛り上がったブナセンター講座でした。参加者のみなさまありがとうございました。
posted by ブナ at 15:01| ブナセンター講座

2014年10月03日

ブナセンター講座「南アルプスユネスコエコパークの概要と将来への展望」

只見町は今年6月にユネスコエコパークに登録されましたが、同時に登録されたのが南アルプスです。登録にあたりご尽力された増澤武弘氏(静岡大学理学部特任教授)をお招きし、南アルプスユネスコエコパークの現状についてご講演いただきました。

alps01.jpg

 南アルプスユネスコエコパークは、只見ユネスコエコパークが只見町全域と桧枝岐村の一部から成るのに対して、静岡県、山梨県、長野県の3県10市町村およそ100万人がくらす広域から成り立っています。南アルプスの大きな特徴は、その中心にそびえる3000m級の山々です!増澤氏は、長年、高山植物の研究をされており、峰に広がるお花畑や南アルプスにしか生育していない希少植物、氷河に削られた岩石が生みだす特異な景観などたくさんの美しいスライド写真とともに、植物の調査研究とその保全対策についてお話しくださいました。南アルプスの自然を守っていくこのと大切さをとても強く感じました。
 しかし、ここ10数年でシカやサルによる高山植物の食害がひどくなったため、景観を壊さない背の低い防獣ネットを開発し、また、人による盗掘に対しては、栽培した希少種の流通させることで、商業価値を下げる工夫を行っているということでした。
 南アルプスは、地域の人にとってもとても遠く、なかなか見ることができない点でまだ知らない人も多いとのこと。認知度を上げること、関連する複数の行政間で情報共有すること、地域振興に地元住民がどう関わっていくかが今後の課題だいうことでした。また、民俗についての研究がまだ十分ではないということです。只見と南アルプスの違いを知ることで、より只見ユネスコエコパークの特色が浮き彫りになった気がしました。
posted by ブナ at 15:41| ブナセンター講座

2014年09月24日

ブナセンター講座・自然観察会のお知らせ

今週末に、ブナセンター講座および自然観察会を開催いたします!

BR-kikaku250.jpg

■ブナセンター講座
 「南アルプスユネスコエコパークの概要と将来への展望」
 9月27日(土) 午後1時30分〜午後3時
 
■自然観察会 (予約が必要となります)
 「沼ノ平のブナ林を歩く」
 9月28日(日) 午前9時〜午後3時

みなさまのご参加をお待ちしております。詳しくは、只見町ブナセンターHPイベント情報をご覧ください。

○予約・問い合わせ 只見町ブナセンター
電話1(プッシュホン)0241(72)8355

posted by ブナ at 09:00| Comment(0) | ブナセンター講座

2014年04月25日

田子倉の昔を語る!

4月20日にブナセンター講座「田子倉の昔を語る!」が開催されました。

今回の講座は座談会方式で行われ、語り部は旧田子倉出身の4人の方々です!
IMG_9690_R.JPG
ダムに沈む前の田子倉は4〜5mもの雪が降り積もる豪雪地帯でした。

土地が豊かで、ゼンマイなどの山菜もたくさん採れ、質の良い糸がとれる養蚕も盛んだったそうです。

大きなマスも浅瀬を埋め尽くすように遡上し、沢水をひいた台所にも魚が入ってきていたのだとか。

特にマスをとった際に村の中で均等に配分する「まわり組」という制度は田子倉集落の暮らしの特徴です。

その他にも、シシ山(クマとり)でクマが怖くて逃がしてしまった笑い話や、小さい頃の思い出話を

たくさん聞くことができ、有意義で楽しい時間となりました。

講座が終わった後も、皆さん思い思いに田子倉の暮らしの話に花を咲かせていたようです^^


そして!只見町にもついに桜前線がやってきたようです!
IMG_0404_R.JPG

まだほとんど分かりませんが、数輪だけ・・・
IMG_0411_R.JPG

ついに開花しましたよー!
IMG_0409_R.JPG

只見にも遅い春到来です^^
posted by ブナ at 17:44| Comment(0) | ブナセンター講座

2014年03月15日

ブナセンター講座「雪食地形と植生」

去る3月8日(土)、東京学芸大学名誉教授の小泉武栄先生を講師としてお迎えし、ブナセンター講座を開催しました。小泉先生は、自然地理学や山の自然学を専門とされ、山の景観を地形や地質、気象、植生など様々な観点からひも解き、多くの方々に伝えてこられました。日本ジオパーク委員会の委員をされており、地域の宝物を見つけるのが楽しみなのだそうです。この日は、前日から降り続く吹雪にもかかわらず、64名の方が、遠くは東京都からも足を運んでくださいました!

IMG_9259_R.JPG

雪食地形とは、只見町に住んでいる私たちなら毎日目にしている雪崩で削られた地形のことです。講座では、この雪食地形の成り立ちについて、様々な視点から解析していただきました。

まずは世界的な規模で日本を見てみます。私たちが暮らす日本は、世界的に見ると他にはないくらい雪が多く、風が強い国なのだそうです。その厳しさは、アルプス以上なのだとか!これらの気象によって生じる雪の吹き溜まりや雪崩が落ちた場所にできる残雪は、雪解けが遅れることで裸地や草原、低木林をつくりだし、また、底雪崩(そこなだれ)に含まれる岩屑で岩盤が削られることで筋状の山の形を作りだしているのです。

続いて、雪が生み出した植生帯として偽高山帯についてお話しいただきました。偽高山帯とは、ブナ林をはじめとする落葉広葉樹林帯の上に位置する亜高山帯の標高に、本来あるべき針葉樹がなく、高山帯に似た草原や低木林が広がっている状態をいいます。なぜ偽高山帯が形成されるのか、様々な研究者が提案したあらゆる仮説を検証しつつ、この謎にせまっていきました。

DSCN5558_R.JPG

雪圧、冬の季節風、地形といった単純な仮説に続いて現れたのが、「追い出し説」です。今から6千〜7千年前、世界的な気温上昇が起こりました。これにより、現在本州では標高1600m以上に分布する針葉樹は、標高2000mにまで追い上げられました。そのため2000mに満たない山では針葉樹が滅亡し、再び寒冷化した後も戻らず、草原になってしまっているのです。現在見ている姿だけではなく、数千、数万年前の出来事も今の風景につながっているのですね!

しかし、この仮説も他の新しい発見により3年ももたなかったそうです。現在では、地形や気候を考慮し、より細かく地域的に分析していく方法がとられていますが、偽高山帯の成立過程については、今もって議論がつきないのだとか。自然について、まだまだわかってないことがたくさんあります。

「日頃目にしている景色をあたりまえと思わず、なぜそうなのかを考えてみてほしい」と最後に先生は締めくくられました。視点を様々に変えて見ることにより、みなさんも只見町の何気ない風景を宝物にしてみてください!

posted by ブナ at 16:10| Comment(0) | ブナセンター講座