2015年06月22日

奥会津の地質にみる日本列島の成り立ち

6月20日にブナセンター講座を開催しました。
産業技術総合研究(産総研)の活断層・火山研究部門の山元孝広氏をお招きし、「奥会津にみる日本列島の成り立ち」という題でお話しいただきました。

講座には20人を超える人に来ていただきました。その中には栃木県や茨城県といった遠くから参加された方もいらっしゃいました。
参加者は地質や日本列島がどのようにできたかなど実際に目にすることのできない内容に真剣に耳を傾けていました。
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奥会津は日本海形成時代に大陸が引きちぎられてできた窪地にたまってできた地層(堆積層)がみられるそうです。そうして形成された地層と岩石の硬度の差から堆積層が削られて只見の代表的な景観の雪食地形が形作られました。

また、奥会津にも熊本県の阿蘇山のようなカルデラが存在し、塔のへつりカルデラや奥鬼怒カルデラがあります。カルデラは地下にあったマグマが大量に噴出したときに、その空間を埋めるために上部が陥没してできる地形です。地形から、奥会津でも大規模な火山噴火があったことがうかがい知れます。
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講座の最後には、地質図Naviの使い方を教えていただきました。

地質Naviは産総研が公開しているウェブデータベースで、地質図だけではなく活断層や火山、その土地の自然放射量なども調べることができます。
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いつも歩いている地面の下に眠る地質を知ることで普段見ている景色の成り立ちをよりいっそう理解できるのだなと思いました。

地質Naviで検索して、自分の地域の地質・岩石について調べてみるのもいいかもしれませんね。
posted by ブナ at 09:58| Comment(0) | ブナセンター講座

2015年03月09日

森を作る鳥たち-鳥と果実の共進化-を開催しました!

3月7日(土)に只見振興センターでブナセンター講座を開催しました。
上田恵介氏(立教大学理学部生命理学科教授)をお招きし、鳥と果実がの関係がどのような進化につながっていったのか、そして森を作るとは一体どういう事なのかをお話していただきました。

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 まず、進化というものは、どちらか一方の行動だけでは起こらず相互作用によって起きて行くのだそうです。鳥が“果実を食べる”という行動を起こすことによって、種子を散布したい植物がより優先的に種子を運んでもらうために様々な工夫を凝らしていきます。
 
 植物はその場から動くことが出来ないので、子孫を残すためには何とかして種子を散布しなければなりません。種子の散布の方法には、風や水流など自然の力に頼る方法の他に動物に種子を運んでもらう方法があります。
 例えば、センダングサやオモナミなどの付着型、リスやノネズミ、カケス、ホシガラスなどに見られる貯食型、アリによる散布の他、もっとも多いのは周食型と呼ばれる果実を食べた結果、食べ残しや排泄物に種子が混ざり散布される方法です。

 鳥が食べる果実は様々な種類がありますが、その中で鳥に優先的に果実を食べて種子を運んでもらうために、見た目や形・可食部の成分などを変化させ進化していく中で、鳥やその他種子を運ぶ生き物も、植物だけが得をして自分たちが損をしないように進化してきたことを今回の講演の中で知る事が出来ました。

 また、そうした鳥と植物の関係が、多くの森を作り上げていることがわかりました。そういえば、私の家の庭にも植えた覚えのない植物が生えていたりすることがあります!きっと庭に訪れるヒヨドリやムクドリが種を蒔いていったんですね。

 講座には、33名の方が参加され、興味深くお話を聞かれたようでした。
 質疑応答では、「鳥が食べる果実は秋に実るものが多いと思うのですが、夏場に生る果実類は鳥に食べられているのでしょうか?」という質問があり、「モミジイチゴやクワの実などが、コムクドリやオオルリ、ツグミなどに食べられており子育てに利用されたりしている」と回答があるなど、鳥と果実の関係性について理解を深めることができた講座となりました。

 翌日、3月8日(日)には、観察会が開催されましたが、そちらの報告については今しばらくお待ちください。

posted by ブナ at 16:34| Comment(0) | ブナセンター講座

2014年11月09日

ブナセンター講座「古民家解体から見えてくるもの」

 ブナセンター講座「古民家解体から見えてくるもの」が11月8日(土)に開催されました。講師は、富山大学准教授の奥 敬一氏です。町内の方を中心に28名にご参加いただきました。

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 奥氏は、京都丹後半島の1軒の古民家を解体する調査研究を行いました。この地域の民家の最大の特徴は、ササ葺きの屋根です。使用するササは、集落内の薪炭林の伐採後に生えるササや、林床のササを使います。このササの採取は、林の林床を明るくするほか、ササ以外の植物の生育を促すという薪炭林の管理にもなっていたというので、とても合理的です!葺き替えの際に大量に必要になるササは、集落の各戸から人を出して刈ったそうで、只見町のマワリカワ制度を思い起こさせます。

 民家の解体は、特に建材の種類に注目して行われました。人の住む部分の材にはマツが多く、次いでクリ、大黒柱など人目につきやすいところにはヒノキが使われていることがわかりました。屋根の小屋組みには、クリのほかコシアブラ、シデ、コナラ、マダケ、ホオノキ、サクラ、ネムノキなど様々な樹種が使われており、中には曲がった細い木なども利用されていたとのこと!これらの樹種は周囲の里山で採れるもので「上世屋(調査地の地名)の民家は里山の若い“雑木林”そのものだった」と奥氏は表現されました。建材の樹種を決めるのは、大工ではなく、木挽き屋であったというのも興味深い話です。他の地域のお話ですが、ブナやコナラをつかった民家もあり、この民家が建てられた土地では、家の建て替えのためのブナを用心山として残す風習があったそうです。

 最後に、大学生が行った古民家の再生の取り組みについてお話しいただき、古民家を題材として、様々な活動ができるという可能性を示して下さいました。参加者からはたくさんの質問があがり、大いに盛り上がったブナセンター講座でした。参加者のみなさまありがとうございました。
posted by ブナ at 15:01| ブナセンター講座

2014年10月03日

ブナセンター講座「南アルプスユネスコエコパークの概要と将来への展望」

只見町は今年6月にユネスコエコパークに登録されましたが、同時に登録されたのが南アルプスです。登録にあたりご尽力された増澤武弘氏(静岡大学理学部特任教授)をお招きし、南アルプスユネスコエコパークの現状についてご講演いただきました。

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 南アルプスユネスコエコパークは、只見ユネスコエコパークが只見町全域と桧枝岐村の一部から成るのに対して、静岡県、山梨県、長野県の3県10市町村およそ100万人がくらす広域から成り立っています。南アルプスの大きな特徴は、その中心にそびえる3000m級の山々です!増澤氏は、長年、高山植物の研究をされており、峰に広がるお花畑や南アルプスにしか生育していない希少植物、氷河に削られた岩石が生みだす特異な景観などたくさんの美しいスライド写真とともに、植物の調査研究とその保全対策についてお話しくださいました。南アルプスの自然を守っていくこのと大切さをとても強く感じました。
 しかし、ここ10数年でシカやサルによる高山植物の食害がひどくなったため、景観を壊さない背の低い防獣ネットを開発し、また、人による盗掘に対しては、栽培した希少種の流通させることで、商業価値を下げる工夫を行っているということでした。
 南アルプスは、地域の人にとってもとても遠く、なかなか見ることができない点でまだ知らない人も多いとのこと。認知度を上げること、関連する複数の行政間で情報共有すること、地域振興に地元住民がどう関わっていくかが今後の課題だいうことでした。また、民俗についての研究がまだ十分ではないということです。只見と南アルプスの違いを知ることで、より只見ユネスコエコパークの特色が浮き彫りになった気がしました。
posted by ブナ at 15:41| ブナセンター講座

2014年09月24日

ブナセンター講座・自然観察会のお知らせ

今週末に、ブナセンター講座および自然観察会を開催いたします!

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■ブナセンター講座
 「南アルプスユネスコエコパークの概要と将来への展望」
 9月27日(土) 午後1時30分〜午後3時
 
■自然観察会 (予約が必要となります)
 「沼ノ平のブナ林を歩く」
 9月28日(日) 午前9時〜午後3時

みなさまのご参加をお待ちしております。詳しくは、只見町ブナセンターHPイベント情報をご覧ください。

○予約・問い合わせ 只見町ブナセンター
電話1(プッシュホン)0241(72)8355

posted by ブナ at 09:00| Comment(0) | ブナセンター講座