2025年10月02日

冬虫夏草

冬虫夏草(とうちゅうかそう)とは、昆虫などにとりついて、その体を栄養源として成長するキノコのことです。世界では500種ほど発見されており、日本ではその内の400種ほど確認されています。昆虫以外には、ダニ、クモの他に、ツチダンゴと呼ばれる地下生菌や植物の実に寄生するものも発見されています。冬虫夏草は湿った環境を好み、梅雨から夏の時期にかけて、渓流沿いの森によく発生します。

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サナギタケ


先日、浅草岳の登山道を歩いているときに、道の脇でオレンジ色のキノコを見つけました。丁寧に掘り出して観察してみると「サナギタケ」という種類の冬虫夏草でした。サナギタケは、主に地中の蛾の蛹から発生する冬虫夏草で、日本各地でよく見られます。サナギタケの子実体(一般に馴染みのある、いわゆるキノコの部分)は鮮やかな色合いで、林内では比較的目立ちます。見つけた個体の周辺をよく探してみると、複数個のサナギタケが見つかりました。

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子実体は1本から複数本まで生じる


また別の日には、家の裏のミョウガ畑の中で、白くなったオオカマキリを発見しました。これも「ボーベリア」という冬虫夏草の一種です。バッタ、カメムシ、チョウ、ハチなど、地面や樹上、葉面にいる様々な昆虫で見られます。ボーベリアは先に紹介したサナギタケとは違い、子実体を形成しません。冬虫夏草には、繁殖の方法が有性生殖と無性生殖のものがあり、それぞれで形態が異なっています。

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オオカマキリ


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全体が白っぽく覆われている


冬虫夏草は奥山だけでなく、意外と身近な場所でも見つけることができます。自然と近い只見町では、日常生活の中で冬虫夏草を見つけることは珍しいことではないのかもしれません。今回採取した個体は、すべて標本にして当館で展示しています。また、その他にも様々な種類の冬虫夏草の標本の展示もあります。ミュージアムにご来館の際は、ぜひ冬虫夏草コーナーをご覧になってください。

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ミュージアム1Fの冬虫夏草コーナー

posted by ブナ at 13:13| できごと

2025年06月28日

モウセンゴケの花が満開

 ただみ・ブナと川のミュージアムのエントランス脇には池があり、そこには2011年の新潟・福島豪雨で流されてきた流木が展示されています。あれから十数年が経ち、流木は随分と朽ちてきましたが、そこには新たな植物が生育し始めています。

 特に、流木の上にびっちりと生え、群落を形成しているのがモウセンゴケという多年生植物です。どこからか種子が飛んできて、発芽・定着したのだろうと思います。この植物は、食虫植物の一種で、葉にある粘毛から粘液を分泌して、この粘液で昆虫を捕獲し、消化・吸収することで養分を摂取するという面白い生態を持っています。日本では北海道から九州まで湿地帯など湿った場所に自生していますが、多くの都道府県で絶滅危惧種になっています。只見では湿った場所には比較的よく目にすることがあります。このモウセンゴケが今、花の盛りを迎えています。昆虫を捕獲して、消化してしまうという驚くべき生態を持つ一方で、白い可愛らしい花を咲かせています。
 
 ミュージアムにご来館の際は、ぜひ見てみてください。

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開花したモウセンゴケ

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可愛らしい白い花

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捕虫葉
posted by ブナ at 00:00| できごと

2024年11月13日

消えた万年雪

 万年雪は、冬季に降り積もった雪が谷部に堆積し、夏になっても雪渓として残り、そのまま越年するものを言います。あまり話題にされませんが、この只見町にも新潟県との県境にある鬼が面山の東壁斜面の下部、標高にしておよそ1000mの谷間に万年雪があります。

 ところが、この万年雪がこの秋に消失してしまいました。2023−2024年の冬は積雪が少なく、夏も全国の例に漏れず高温が続き、秋も気温が高かったのが消失の背景にあるかもしれません。

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2024年8月22日撮影。万年雪が確認できる。


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2024年11月8日撮影。万年雪が確認できない。
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2024年10月21日

浅草岳で初雪

 寒気が流れ込み、気温がグッと下がった10月20日(日)でしたが、浅草岳の山頂付近では午前中に降雪が確認されました。初雪と思われます。

 天気さえ良ければ、山頂から只見の山々や集落の様子などを眺めることができます。遠くには、燧ヶ岳、越後三山、時には佐渡島が見えることもあります。紅葉も進んでおり、木々の葉の鮮やかな色を楽しむことができます。

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2024年10月18日

浅草岳の紅葉が深まっています

福島と新潟の県境をまたがる浅草岳(標高1585m)は、新生代第四紀の陸上成層火山です。現在は、雪崩などの侵食によりその火口部は見ることができませんが、浅草岳に連なる鬼ケ面山は外輪山の一部で、鬼ケ面山の東側の絶壁は噴火口の外壁と見られています。

 浅草岳の森林限界を越えた山頂付近は、ブナやミヤマナラ、ミネカエデ、ナナカマドなどからなる矮性低木林とチシマザサ群落、そして、ヌマガヤの雪田草原が広がります。

 朝晩が冷え込んできた最近は、山頂部から徐々に紅葉が深まりつつあります。今週、来週が見頃となりそうです。

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天狗の遊び場

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ミヤマナラの紅葉

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浅草岳から鬼が面山方面
posted by ブナ at 00:00| できごと