2024年02月14日

早くもユビソヤナギが開花し始めました

 昨日(2/13)、福島県の職員の方と只見町熊倉の伊南川沿いのヤナギ林でユビソヤナギの分布調査を行いました。ユビソヤナギは落葉高木で日本固有種ですが、環境省のレッドリストでは絶滅危惧II類、福島県のレッドリストでも絶滅危惧II類に分類されている希少種です。
 
そんなユビソヤナギにとって、只見町を含む只見川、伊南川は全国最大規模の自生地となっており、その存在は只見町の河川環境の自然度の高さを示してくれています。
 
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ユビソヤナギを含むヤナギ科樹木で構成される河畔林が広がる伊南川


 ユビソヤナギは河川沿いに生育するため、しばしば堤防などの河川施設の管理においてユビソヤナギに配慮する必要が求められることがあります。ユビソヤナギという希少種を保護・保全することも重要、河川施設を適切に管理する中で流域の住民の方の生命・財産を守ることも重要、一見相反することのように思われますが、人と自然とが共生するユネスコエコパークである只見町ではこれらを両立していくための努力が求められています(いや、ユネスコエコパークでなくとも持続可能な発展を実現するにはどこででも実践されるべきと思います)。今回の調査もこのためのものでした。

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調査の様子

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ピンクテープが付いているのがユビソヤナギ、その右はシロヤナギ

 
 さて、目当てのユビソヤナギですが、例年では3月中旬ごろから他の樹木に先駆けて開花するのですが、今年はなんともう咲き始めていました。例年より1ヶ月近く早い開花です。やはり暖冬の影響でしょうか。昨日の最高気温は7度、本日も最高気温が13度で季節外れの暖かさです。ユビソヤナギは、雄株、雌株と分かれていて、さらに虫媒花なので、受粉には虫たちに花粉を運んでもらう必要があります。花は咲いても、虫たちが動き出さないと、受粉・結実に至らないので、花が無駄になる可能性もあります。

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開花し始めたユビソヤナギの花

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 これまで今回の調査のような比較的広くない範囲での保全に向けた現場は多くありましたが、最近は温暖化のような地球規模の影響とその対策の必要性を感じざるをえない場面が多くなってきているような気がします。

posted by ブナ at 00:00| できごと

2023年11月13日

県境は雪 国道252号六十里越は冬季通行規制

 本日は平地でもみぞれ混じりの雨が降りました。標高の高い場所では降雪があり、本日15:30より、新潟県魚沼市に続く国道252号六十里越の田子倉無料休憩所より新潟県境は冬季通行規制となりました。
 福島県山口土木事務所ホームページ↓
 https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/41361a/road.html

 国道252号沿いに春から設置していた「只見町の野生動植物を保護する条例」を周知する横断幕を急いで撤去してきました。
 https://www.town.tadami.lg.jp/informa.../2020/06/002217.html

 平地ではまだ降雪はありませんが、いよいよ冬の到来のようです。

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横断幕撤去前

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横断幕撤去後

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田子倉湖

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新潟県境方面

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横山
posted by ブナ at 17:00| できごと

2023年10月23日

高い山では例年より早い初冠雪

 一昨日(21日)の夜は平地でも気温5度ほどまで下がり、雨も降っていました。翌日の午前中まで雨模様でしたが、晴れてくると標高の高い浅草岳などの山は雪で白くなっており、今シーズンの初冠雪でした。例年であれば、11月の文化の日あたりで初冠雪ですので、今年は2週間ほど早い初冠雪です。紅葉のピークにはまだ早く今週末あたりがピークになりそうです。

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横山

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浅草岳

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鬼ヶ面
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2023年10月20日

只見小放課後こども教室の児童の皆さんが来館

 本日は、只見小学校の放課後こども教室の児童の皆さんが来館されました。今回は、ブナセンターが去年採集したブナの種子から育てていた実生を公園に植え替えする作業を手伝っていただきました。ポットで育てていた実生を地面に植え替えるのですが、その際に一工夫があります。ブナ林から採取してきた菌根菌(きんこんきん)が含まれる土壌を実生の根にしっかりとくっつけてから地面に植えるのです。菌根菌は、植物の根に共生し、植物の光合成生産物を受け取る一方で、土壌に張り巡らせた菌糸から水分やリン酸などの養分を植物に供給しています。こうした両種にとって利益のある共生関係を特に”相利共生(そうりきょうせい)”と言います。菌根菌はキノコやカビであり、あのマツタケもマツの仲間と共生する菌根菌です。陸上植物のおよそ8割はこうした菌根菌と共生関係にあると言われ、その歴史は古く、かつて植物が水から貧栄養な陸上に進出したおそよ4億年も前から植物の根に共生し、陸上植物の繁栄に大いに貢献したと考えられています。菌根菌の力を借りて、植え替えたブナが育ってくれることを願いたいと思います。児童の皆さん、子どもクラブのスタッフの皆さんのおかげで80本近くを植え替えることができました。育ったブナは広葉樹林化を図るようなスギ人工林などで活用することを考えています。

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外生菌根


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ブナ林から採取してきた土壌をブナ苗の根にしっかりとつけるのが植え替えのポイント

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植え替えてもらったブナたち


 植え替え作業の後は、ミュージアム館内見学と、ブナとオオバクロモジの端材を使ったストラップ作りを体験いただきました(一般の方へのストラップ作り体験は木工クラフト体験コーナーで行えるように現在準備中です)。

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オオバクロモジは削るといい匂いがする

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出来上がった自分だけのストラップ


 またのご来館お待ちしております。ありがとうございました!
posted by ブナ at 00:00| できごと

2023年09月26日

日本自然環境専門学校の只見実習を支援−スギ人工林と落葉広葉樹二次林の将来を担う若木調査

 9月15-16日で新潟市にある日本自然環境専門学校の先生・学生さんが実習のために只見にお越しになりました。現在、只見町では町内にある未利用となっているスギ人工林や落葉広葉樹二次林(旧薪炭林)を間伐し、間伐材を薪エネルギーとして利用し、化石燃料に少しでも頼らない低炭素社会と地域経済の循環を目指す事業が進んでいます。全国各地で木材をエネルギーとして使う試みがされていますが(バイオマス発電については近年は資源が足りなくなり地域間での資源の取り合い、地域外からの購入など本来の目的から乖離した本末転倒な状態となっていて問題です)、ややもすると“林を伐って、使う”ということばかりに視点が置かれる傾向があります。しかし、本来の目的は“森林資源を持続可能に利活用すること”であるはずです。木を伐って終わりではなく、木を伐った林が将来も木材利用をはじめ水源涵養など林としての機能が保たれるようにしなくてはなりません。木を伐った場所で木を植え、再び林を成立させるという方法もありますが、コストや手間を考えると現実的ではありません。特に、只見町のような豪雪地帯では雪の影響があり、さらにコストと手間がかかります。そこで、自然の力に任せるという方法があります。つまり、既に林の中にある若木に育ってもらうということです。この方法は逆に言えば林の中に若木がなくてはなりません。
 そこで、今回の専門学校の実習では、スギ人工林と落葉広葉樹二次林にどんな種類の高木種がどのくらいあるかを調査してもらいました。各林の中で1m四方の枠を連続して50mつくり、各枠の中に出現する高木種の種類、大きさ、数を記録していきます。学生さんは最初は樹種の同定で戸惑っていましたが、出てくる種類はそれほど多くなく、繰り返しの作業をするなかで調査を終えるころにはほとんど覚えてしまっていました。学生さんたちは森林に関する仕事に就く予定とのことですが、今回の経験を仕事に活かし、日本の森づくりに役立てていただければと思います。

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まずは代表的な樹種を覚える

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スギ人工林での調査

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落葉広葉樹二次林での調査
posted by ブナ at 00:00| できごと