2025年10月02日

冬虫夏草

冬虫夏草(とうちゅうかそう)とは、昆虫などにとりついて、その体を栄養源として成長するキノコのことです。世界では500種ほど発見されており、日本ではその内の400種ほど確認されています。昆虫以外には、ダニ、クモの他に、ツチダンゴと呼ばれる地下生菌や植物の実に寄生するものも発見されています。冬虫夏草は湿った環境を好み、梅雨から夏の時期にかけて、渓流沿いの森によく発生します。

P9270414.JPG
サナギタケ


先日、浅草岳の登山道を歩いているときに、道の脇でオレンジ色のキノコを見つけました。丁寧に掘り出して観察してみると「サナギタケ」という種類の冬虫夏草でした。サナギタケは、主に地中の蛾の蛹から発生する冬虫夏草で、日本各地でよく見られます。サナギタケの子実体(一般に馴染みのある、いわゆるキノコの部分)は鮮やかな色合いで、林内では比較的目立ちます。見つけた個体の周辺をよく探してみると、複数個のサナギタケが見つかりました。

P9241311.JPG


P9241312.JPG


P9241324.JPG


P9241329.JPG
子実体は1本から複数本まで生じる


また別の日には、家の裏のミョウガ畑の中で、白くなったオオカマキリを発見しました。これも「ボーベリア」という冬虫夏草の一種です。バッタ、カメムシ、チョウ、ハチなど、地面や樹上、葉面にいる様々な昆虫で見られます。ボーベリアは先に紹介したサナギタケとは違い、子実体を形成しません。冬虫夏草には、繁殖の方法が有性生殖と無性生殖のものがあり、それぞれで形態が異なっています。

P9281347.JPG
オオカマキリ


P9281360.JPG
全体が白っぽく覆われている


冬虫夏草は奥山だけでなく、意外と身近な場所でも見つけることができます。自然と近い只見町では、日常生活の中で冬虫夏草を見つけることは珍しいことではないのかもしれません。今回採取した個体は、すべて標本にして当館で展示しています。また、その他にも様々な種類の冬虫夏草の標本の展示もあります。ミュージアムにご来館の際は、ぜひ冬虫夏草コーナーをご覧になってください。

P9270425.JPG
ミュージアム1Fの冬虫夏草コーナー

posted by ブナ at 13:13| できごと