▲恵みの森のブナ林を観察する
沢の中の倒木により溜まった枝葉は、水生昆虫たちのエサになります。また倒木はイワナの隠れ場所としても機能します。何気ない沢の景色の中にも森、川、生き物の関係があります。
▲渓流の倒木や樹木の役割を話す河口洋一博士
渓流の中には、ブナ、トチノキ、サワグルミ、カエデ類などの大きさ・形などが異なる様々な種類の葉が堆積しています。ブナとカエデの葉を拾い上げ観察してみると、分解の進行具合に違いが見られました。ブナの葉に比べてカエデ類の葉はやわらかいので、葉の分解が速く進んでいます。
▲ブナの葉(左)とカエデの葉(右)
沢の中の落ち葉を網ですくいあげて観察すると、ヘビトンボの幼虫やカワゲラの幼虫、ヤゴなどが確認できました。また、石をめくるとカゲロウの幼虫が張り付いていました。こうした昆虫は、イワナなどの餌として重要です。
▲水生昆虫に興味津々の子供たち
▲ヘビトンボの幼虫
イワナが生育するためには、水温が20℃以下である必要があります。河口博士は水に手を入れて沢の水温が15℃ぐらいと予測をしていました。渓畔林が日光を遮ることにより、渓流の水温が低く保たれています。また渓畔林から沢に落ちる昆虫類も、イワナにとって大切なエサになります。
▲水温を予測する河口博士
▲木漏れ日で輝く沢を歩く参加者
イワナは、沢の淵(流れのゆるい場所)から瀬(流れの速い場所)にかけた場所で穴を掘り産卵をします。淵から瀬のような場所は、流水により酸素が運ばれるため、卵の孵化に適した環境となっています。
▲イワナの産卵環境に重要な瀬と淵の解説
この一見すると、砂粒の塊にしか見えないものの中にはトビケラがいます。夏は陸上からの落ち葉などの供給が少ないため、今回観察した水生昆虫は、サイズの小さい個体が多かったです。これから冬にかけて、落葉が増えることや、落葉により沢に光が差し込み藻類が増えることで、それを食べる水生昆虫が成長していく環境が作られていきます。
▲砂粒で作られたトビケラの巣
まだ暑い日が続きますが、恵みの森の中は水の流れがあり涼やかで、気持ちよく歩くことができました。解説いただいた河口博士、大変ありがとうございました。また、ご参加いただいた皆さまもありがとうございました。またのご参加をお待ちしております。