2025年09月17日

<只見小学校5、6年生が国道289号八十里越工事における自然環境・野生生物への保護・保全対策をリサーチ>

只見小学校の5、6年生は総合的な学習の時間で只見町の産業について調べています。その中で、開通を間近にした国道289号八十里越について調べ、道路工事・道路開通における自然環境・野生生物の保護・保全対策を知りたいとの相談をブナセンターが受けました。希少種の保護・保全の観点からあまり公にはしておりませんでしたが、ブナセンターでは独自に国道289号八十里越の野生生物調査を実施してきました。

道路工事を行なっている福島県南会津建設事務所さんの協力を得て、9月16日に子供達を連れての現地見学が実現しました。案内は福島県南会津建設事務所さん、環境調査を請け負っている建設技術研究所さんが行いました。

国道289号は新潟県新潟市から福島県いわき市を結ぶ総延長304kmの道路であり、このうち新潟県三条市(旧下田村)から福島県只見町に至る県境部分の自動車普通区間が八十里越と呼ばれます。この八十里越部分は只見町の北西部に位置し、町内でも自然度の高いブナ林などの自然環境が残された地域です。しかも、絶滅危惧種に選定されている野生動植物も多く生育・生息しています。したがって、人と自然との共生を実現するユネスコエコパークに指定されている只見町における国道289号八十里越の開設・開通については、これらの自然環境、野生動植物を保護・保全することは重要なことです。

現地では、道路側溝に落ちてしまった小動物が側溝から這い上がれるようなスロープ、道路に並走するように設置された両生類の道路横断を防止する高さ50cmほどの壁、道路横断ができなくなってしまった両生類が産卵するための代替産卵池の試験地、動物が道路を横断できるようなアンダーパス、外来植物を用いず周辺の在来植物を利用した斜面緑化、希少猛禽類の保護・保全が紹介されました。

貴重な自然環境の中を縦貫する道路でもあり、南会津建設事務所さんをはじめ道路工事関係者の方たちは苦心しながらこうした自然環境や野生動植物との共生を図る工事を進めています。小学生からは、道路工事で何が一番大変かとの質問があり、南会津建設事務所の担当者は、自然環境との調和を図りながら施工することが大事だと回答していました。小学生たちは道路工事と自然環境の共生を学ぶ良い機会になったようです。

一方で、道路工事や開通後の影響においては少なからず課題が残っています。これについては、この9月下旬のユネスコ国際調整理事会で審査される只見ユネスコエコパークの定期報告(10年間の活動報告書)において詳細に記されています(下記のURLのPDFファイルのうち47−51ページ)。

https://tadami-br.jp/TadamiBR_PR_JPN.pdf

多くの人にとっては、国道289号八十里越の開通は心待ちのものだと思います。一方で、この道路は只見町の貴重な価値ある自然環境の中を通り、これらを保護・保全しながら道路を利用させてもらう必要があることを忘れてはいけません。そうしたことに大人よりも子どもたちの方が敏感に感じ取っているようです。子どもたちの将来のためにも、開通までの残された時間の中で、関係者の協力のもと、具体的な対策を講じていく必要が迫られていると思います。

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posted by ブナ at 13:23| 人材育成