只見町ブナセンターでは町内学校のみならず、町外の教育機関からも環境学習に関するご依頼を受け付けております。
新潟県にある日本自然環境専門学校(鳥類研究室)の調査実習の受け入れは、2021年より毎年6月の恒例となっており、今年で4年目。今年は6名の熱意ある学生たちが、6月13日〜15日までの2泊3日にわたって、只見実習にお越し下さりました。実習では、定点にて一定時間ごとに確認された種を記録する「スポットセンサス調査」や、同じく定点にて視野範囲で確認された猛禽類の行動記録をとる「猛禽類調査」、コールバックによる夜行性鳥類調査、そして踏査による任意調査といった、各種調査手法を実践しました。
他の生物と同じように、鳥類もまた種ごとに異なる環境を選んで生息しています。また、6月は多くの種の繁殖期に当たるため、つがいは一定の範囲のなわばりをもって生活しており、広く分散しています。つまり、種数を網羅的に把握する「相調査」においては、可能な限り様々な環境を広く探して回る必要があるのです。今回の実習にも「相調査」の側面があったことから、町内全域に調査地を設け、河川やダム湖、集落周りの農地や、森林内の散策路など、行ける限りの環境を巡って、鳥類を記録して回りました。
▲山地で確認された鳥類
▲水辺で確認された鳥類
▲集落や農地周辺で確認された鳥類
▲夜間調査で確認された鳥類
このようにして行われた3日間の調査を経て、確認された種数は59種に上りました。これは過去4年間で最多の種数です。只見町における繁殖分布種を経年的に把握する上でも貴重なデータが得られたと思います。特に、福島県版レッドリストにおいて絶滅危惧I類に選定されているブッポウソウとチゴモズの確認は特筆に値します。ブッポウソウについては、町内での確認は実に3年ぶりのことでした。2個体同時に見られたことから、つがいの可能性があります。チゴモズは昨年と同じ調査地で見つかり、2年連続の記録となった一方で、単独生活しているオス成鳥とみられ、残念ながら繁殖兆候は確認できませんでした。チゴモズの繁殖成功例は、県内でも近年滅多に聞かれません。
学生の皆様には将来、環境調査の業界を目指したり、教育の現場に立ったり、環境行政を執り行ったりと、様々な活躍の可能性があるかと思います。鳥類について知り得たことが、少しでも社会に還元され、人々の新たな学びに繋がったり、環境保全に資することがあるならば、それが一番の喜びです。熱意をもって全力で励んでいただきたいです。
posted by ブナ at 15:00| 人材育成