手毬の芯には、山菜として有名なゼンマイの“綿毛“が使用されているのが特徴です。
ゼンマイ採取(只見ではゼンマイ折りという)が盛んだった只見町では加工する際に出るゼンマイの綿毛を布団や半纏、手毬の芯にして無駄にすることなく活用してきました。
▲山菜として有名なゼンマイ。春先の只見ではゼンマイ干しが風物詩。
▲ゼンマイ
▲ごみを取り、蒸して下処理したゼンマイ綿
時代が進むにつれてその伝統は途絶えてしまいましたが、手毬については、その魅力に惚れ込んだ「ちよの会」のメンバーによって復活を目指すことになります。ちよの会では、ふるさと館田子倉に残っていた故皆川ツギさんの手毬や書籍を参考にすることをはじめ、町内で熱心に聞き込みを行い、試行錯誤を重ねてついにゼンマイ綿を使った只見の伝統的な手毬を復活させました。
▲町内でゼンマイ綿の手毬について聞き込み。
▲只見の手毬の模様。(中央に帯がないのが特徴、全部で12〜13種類の模様があったと言われる)
見事復活した手毬は、令和2年に「『自然首都・只見』伝承産品」に認証され、置物の他、ストラップやネックレス、ピアス・イヤリングなどの多様な商品展開で人気を集めました。

▲身に着けやすい多様な商品展開も人気に。
そして復活した「只見の手毬(てんまり)」が今、広がりを見せています。
令和3年には関東の大型デパートで展示が行われたり、縁結びで有名な三石神社のお守りになったり、ふるさと納税返礼品にもなりました。令和5年には国立科学博物館付属実験植物園のシダ展にて只見のシダ植物であるゼンマイの文化の紹介とともに展示されました。
また、今年の10月には東京のはれてまり工房の取材を受け、只見の手毬についてYoutubeに動画が公開されています。
https://youtu.be/PVSy_fGBSUg?si=j9pDHei1713PITIY
▲インタビュー動画(Youtube)


▲皆川ツギさんの手毬の残るふるさと館田子倉でのインタビューの様子
さらに、1月20日から3月10日まで東京都のホテル雅叙園東京で開催されている「百段雛まつり2024」にて全国の手毬とともに展示されております。只見の手毬を通して、伝統的なゼンマイ文化や自然の豊かさが発信されています。
▲イベントHP
鮮やかな模様の中にも素朴な温かさがある「只見の手毬」。ちよの会のメンバーがひと針ひと針心をこめて作っていますので、機会がありましたらぜひご覧ください。

▲ゼンマイの綿毛が手毬になるまで。

▲ちよの会によって復活した伝統的な只見模様の手毬。
只見の手毬も認証されている「〜ブナと生きる雪と暮らす〜『自然首都・只見』伝承産品」は只見町の人と自然との共生を体現した素敵な産品です。
詳しくはパンフレットをご覧ください。只見町のHPでも公開されています。

▲パンフレット
https://www.town.tadami.lg.jp/information/2023/11/14/2023densyo.pdf
▲パンフレットデータ
https://kddi124.multi.ne.jp/information/2021/04/003568.html
▲自然首都・只見』伝承産品HP
町内では以下施設でも販売しております。
ぜひお手に取っていただき、お土産などにもご活用いただければ幸いです。
・ただみ・ブナと川のミュージアム
・ふるさと館田子倉
・只見町インフォメーションセンター
( https://www.shop.tadami-net.com オンラインショップ)
・季の郷湯ら里