2020年07月27日

自然観察会「癒しの森のブナ林を歩く!」開催報告

 昨年度3月に予定していた自然観察会がコロナ禍により中止となって以降、4ヶ月ぶりに観察会を実施することができました。
 「癒しの森のブナ林を歩く!」と題した今回は、只見町と金山町の境界にある癒しの森を歩きながら、そこで見られる林相の特徴を知っていただくとともに、その道すがら夏ならではの生き物の観察をお楽しみいただきました。当日は小雨の空模様でしたが、茂った木々のお陰で森の中は傘要らずでした。

 午前9時半、癒しの森駐車場にお集まりいただいたお客様は総勢12名。そこから布沢横田線へ出て、北側の入山口から散策開始です。
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 癒しの森では、カラマツとスギの2種類の人工林と、ブナなどの落葉広葉樹から成る天然林を見ることができます。天然林は、過去にほとんど人手が加えられたことのない原生林と、伐採や攪乱が生じた後に形成された二次林に分けることができます。癒しの森の天然林は後者に当たります。

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 ・ブナが優占する二次林

 林内では、耐陰性の高いブナが優占しつつある一方で、明るい林を好むミズナラは、ブナに押されて衰退の途上にあります。このため、比較的遷移の進んだ二次林であると言えます。
 また、倒木によって開けた場所では、先駆性の各種草本・木本が競うように生育することで、一時的に多様な植物相を形成しています。
P7251930_「国境の大ブナ」がある交流広場で、各種実生の解説を行いました.JPG
 2013年に倒れた「国境の大ブナ」の辺りは日当たりがよく、20種もの植物が生育していました。

 また、今年は例年に無い長梅雨のためか、林床のそこかしこにキノコの姿がありました。
個体写真_P7241793_タマゴタケ.JPG
 ・タマゴタケ
個体写真_P7241827_アカヤマドリ.JPG
 ・アカヤマドリ

 当日は降雨により湿度が上がったためか、貝類もよく見られました。
個体写真_P7245914_キセルガイ類.JPG
 ・キセルガイの仲間
個体写真_P7251989_ヤマナメクジ.JPG
 ・ヤマナメクジ。殻はありませんがれっきとした貝です。

 一方で、晴天時と比べ昆虫の姿は少なかったですが、キマワリやノコギリカミキリ、コブヤハズカミキリなどの甲虫が観察されました。
個体写真_P7251972_ノコギリカミキリ.JPG
 ・ノコギリカミキリ

 そのほか、林内ではイカルという鳥のさえずりが聞かれたり、沢沿いやその付近の林床に生息するタゴガエルが観察されました。
個体写真_P7241892_タゴガエル.JPG
 ・タゴガエル

 国境の大ブナ(交流広場)から先は尾根道になります。
斜面部にオオウラジロノキやブナの巨木が織り成す壮観を眺めつつ歩きました。
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 ・オオウラジロノキ
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 ・オオウラジロノキの果実。これはまだ熟していませんが、秋には赤く熟し食べられます。

 そして出発からおよそ2時間後の11時半、折り返し地点に到着です。
P7251973_ゴール地点より戸板山を望む.JPG

 戸板山を望みながらの昼休憩中、館長から全員にお茶の差し入れが!
P7251979_クロモジの葉で淹れたお茶をいただく.JPG
 このお茶は落葉低木であるオオバクロモジの葉を煮立てたもので、酸味のある味わいと独特の香りがあり、とてもおいしかったです。

 復路はもと来た散策路を戻りましたが、また新たな生き物の発見もあり、次々見つかる生き物に参加者の皆様も興味が尽きないご様子でした。

 13時半、駐車場まで無事下山し観察会は終了しました。
【集合写真】遠景B_P7251938.JPG
 ・交流広場での集合写真

 ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
 皆様のリアクションが良かったので、指導員としても解説するのが楽しかったです。
 また次回の観察会でお目に掛かりましょう!
posted by ブナ at 16:30| Comment(0) | イベント
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