2017年07月30日

日本海要素植物のブナセンター講座と自然観察会

7月17日まで開催していた企画展「多雪地帯に生きる 日本海要素植物」に関連し、ブナセンター講座と観察会を行いました。遅くなりましたが、ご報告します。

ブナセンター講座「雪を味方につけた植物たち」 7月15日(土)

本講座では、首都大学東京・牧野標本館の加藤英寿氏に講師をしていただきました。加藤氏は、植物分類、進化、生物多様性などを専門に研究されています。平成25年度の「自然首都・只見」学術調査研究助成を受託し、蒲生岳に生育するツクバネウツギ属の分類を研究され、その成果はブナセンター紀要No.4に掲載されています。

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▲講師の加藤英寿氏と聴講者

雪が植物の生育に与える影響や日本海側を中心に分布する植物(日本海要素植物)と太平洋側に分布する対照種との形態的な違い、多雪環境に適応した植物の生理・生態などについて解説していただきました。ハイイヌガヤやエゾユズリハ、ユキツバキ、ヒメアオキなど只見町では身近な植物を主な話題として取り上げていただきました。講座は22名が聴講し、雪という只見町の最も特徴的な自然環境と植物の関係について理解を深めることができました。

自然観察会「夏のブナ林で日本海要素植物を観察しよう!」 7月16日(日)

講座に引き続き、日本海要素植物を観察する自然観察会を「蒲生集落 あがりこの森」(ただみ観察の森)で開催しました。

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▲蒲生川沿いの雪食地形も観察しました

「蒲生集落 あがりこの森」は、ブナ林で、林床にはユキツバキやエゾユズリハ、ツルアリドウシといった日本海要素植物が生育しています。ブナセンター講座で講師をしていただいた加藤英寿氏に、ユキツバキの地面を這うような樹形、エゾユズリハの古い葉と新しい葉の色の違いなど、実際の植物を見ながら、その生態や生育環境について解説していただきました。
 
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▲日本海要素植物の解説を受ける参加者

また、この森は、かつての真名川集落で薪炭材の採取のために利用しており、その痕跡があがりこ型樹形のブナ、かじご焼きの穴として残されています。

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▲あがりこ型樹形のブナ
 
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▲かじご焼きの痕跡

町内外の23名が参加し、私たちに身近な日本海要素植物についてあらためて学びました。
posted by ブナ at 12:05| ブナセンター講座