2017年05月11日

【報告】春の観察会「春植物の花園を歩く」

ゴールデンウィークの5月3日、春の観察会「春植物の花園を歩く」を行いました。
出発する前に、ブナセンターの前で只見町に特徴的な雪食地形の説明をしました。多雪による雪の影響で只見町の山々は独特の景観を現しています。雪崩の多い急斜面にはミヤマナラやマルバマンサクなどの雪崩に強い植物が、尾根部の土壌の少ない場所にはキタゴヨウなどが馬のたてがみのように分布しています。そして雪崩の少ない比較的なだらかな斜面はブナを主体とした森となっています。
ゴールデンウィーク前後はちょうどブナの展葉の時期です。ブナはいち早く葉を広げるため、まだ葉が開かない雪崩斜面と黒々とした尾根部、新緑に染まるブナ林がくっきり別れ、植生の違いを観察するには最高でした。
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ミュージアムから観察地の黒谷川上流部へ移動し、林道入口からは、いよいよ歩いての散策開始です。入口脇の草地は、下見の時には咲いていなかったカタクリやキクザキイチゲの花畑になっていました。ここで春植物の生態についてお話しました。
雪解けとともに咲き、夏には葉を枯らし姿が見えなくなってしまうような植物を「春植物」といいます。彼らは他の植物が茂る前に花を咲かせ葉を開き、栄養を根に蓄えます。そして、葉を落とし、根だけの状態になって次の春を待つという戦略をとった植物たちです。地上に姿が見えないときにも、次の春一番に花を咲かせるために地下で花芽を作り準備をしています。
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地元の方々が福寿草平と呼ぶ場所ではフクジュソウが群生し、とても華やかでした。
ここは昔、カノと呼ばれる焼畑を行っていた場所です。カノは、雑木林や草地を刈り払い、そこを焼き、浅く耕してソバやアズキなどを作付けする農法です。かつてカノとして利用していた日当たりのよい土地に、陽光を好むフクジュソウたちは花畑を作りだしています。
ここは斜面のため、雪は斜面の下に溜まります。そのため、斜面の上からフクジュソウは開花していくので、下見の時には咲いていなかった場所が、当日は満開となり、斜面上では多くが実をつけ、葉を大きく広げ青々としていました。
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帰り路ではスギ林内の越冬シカによるササの食痕や、かつて只見まで狩りに来ていた秋田マタギの話などをさせていただきました。
オオバボダイジュの前では、この木から採れる「シナっ皮」の利用や、加工処理の大変さを交えて、昔からの自然利用と、手間暇を惜しまない手仕事についてお話させていただきました。
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雪解けの早かった昨年、エイザンスミレやミヤマキケマン、ラショウモンカズラ、ヒトリシズカなどが咲いていた斜面では、今年は雪が平年並みに残っていたため、今回の主役、春植物であるカタクリ、キクザキイチゲ、フクジュソウ、他にも雪どけすぐに開花するケアブラチャンの小さな黄色い花や、アオイスミレなどが見られました。
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今回の観察会には町内外合わせて17名の方にご参加いただきました。ご参加いただき本当にありがとうございました!
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posted by ブナ at 13:24| Comment(0) | 自然観察会
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