2024年09月11日

只見ユネスコエコパーク海外交流特別セミナーを開催!

 9月7−8日、元ユネスコ生態地球科学部長/元ユネスコMAB計画事務局長のMiguel Clüsener-Godt博士(コインブラ大学<ポルトガル>、上席研究員)が、只見ユネスコエコパークの視察に来られました。これにあわせて、9月7日(土)14時〜、朝日公民館2階ホールにて、只見ユネスコエコパーク海外交流特別セミナーとしてMiguel博士からご講演をいただきました。セミナーには約20名の参加がありました。

 セミナーは、渡部勇夫只見町長のMiguel博士夫妻と松田裕之博士(横浜国立大学)の只見訪問を歓迎するあいさつで始まり、ユネスコエコパークは只見町の町づくりの根幹であり、誇りであるというメッセージとともに9月2日に只見ユネスコエコパークの定期報告を日本ユネスコ国内委員会事務局(文部科学省)に提出したことが報告されました。

 続いて松田裕之博士の逐次通訳の下、Miguel 博士が『ユネスコエコパークとユネスコMAB計画:持続可能な開発と自然保護との関連性』と題する60分講演を行い、ユネスコが目指すもの、ユネスコエコパークに登録する理由などを世界各国のユネスコエコパークの活動を交えながら紹介いただきました。ユネスコエコパークに登録する理由では、6つの理由が挙げられました。それは、@資源の懸命な利用、A地域経済の活性化、B健全な生態系の保全、C人と自然が共生するためのオープンな実験場としての機能、D多くの関係者との協力の促進、ESDGsなどの国際目標達成のために役立てる、です。

 質疑応答では会場から活発な質問が寄せられ、松田裕之博士の通訳のもと、Miguel博士が回答するやり取りが予定時間をオーバーして約1時間続きました。ユネスコエコパークにおける移行地域の名称の意味と役割、地元の市民がエコパークにどのようにかかわるか、世界自然遺産との違い、9月の台風で屋久島(ユネスコエコパーク登録地)で倒れた弥生杉の活用方法など、質問は多岐にわたりました。Miguel博士からは、核心地域は生物多様性を保護するためにあるが移行地域は地域社会の持続可能な開発の場であること、まずは教育現場で子供たちが学び、子供たちからその親たちが学ぶことで、地域の担い手が広がるだろうこと、世界遺産は価値を保存し次世代に遺すためにあるが、エコパークは自然資源を持続可能に利用する工夫をする“価値を創造する場”であること、樹齢数千年の弥生杉といえども生命が有限であり、重要なのはその子孫を守り、命の巡りについて理解することであることなどが議論されました。Miguel博士は住民の皆さんと非常に有意義な議論ができた、と大変喜ばれていました。

 Miguel博士らは、7−8日の只見の滞在で、六十里越の山岳景観、ただみ・ブナと川のミュージアム、ふるさと館田子倉、叶津番所、旧五十嵐家住宅、旧朝日公民館民具収蔵庫、ブナ天然林、ブナ二次林、ブナあがりこ林、杉人工林、水田を視察され、只見町長との懇親会にも出席されました。

 Miguel博士からは、只見ユネスコエコパークはとても素晴らしく、努力もしている、引き続き頑張ってほしい、というメッセージをいただきました。

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▲渡部町長の挨拶から始まったセミナー

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▲講演するMiguel博士(右)と通訳する松田博士


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▲只見ユネスコエコパークを視察するMiguel博士ら


posted by ブナ at 10:15| ユネスコエコパーク

2024年09月02日

ユネスコエコパーク特別セミナー・秋のブナ林観察会のお知らせ

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只見ユネスコエコパーク特別セミナー
「ブナ林のマストは何?−遺食住から観る生きもののつながり−」

 参加無料、事前申し込み不要です。
■日時: 2024年10月13日 (日) 13:00〜14:30
■会場: 只見公民館 1階集会室
■講師: 箕口 秀夫 博士 (新潟大学名誉教授)
【講師プロフィール】 博士(学術)。専門は森林学・生態学。1984年、新潟大学大学院を修了、新潟県庁に入庁。主に林業試験場(現:森林研究所)で豪多雪地帯の森林管理技術についての研究、普及活動を行う。1996年、新潟大学に移り、積雪地帯における生物多様性を意識した、野生動物と共存できる地域のあるべき姿の復元や森創り、林業についての研究や教育に取り組む。今年(2024年)3月の定年退職後も引き続き、同課題に地域の人達といっしょに取り組む。

秋のブナ林観察会「どんぐりが実り、移動する秋を楽しむ」
■日時: 2024年10月14日 (月・祝) 9:30〜12:00
■観察地: 布沢「癒しの森」
■集合: 布沢「癒しの森」駐車場
■参加費: 高校生以上400円、小・中学生300円、町内在住の小・中学生、高校生100円
■定員: 30名[要事前申込、締切日10/12(土)]
■持ち物: 少し暖かい上着、雨具、長靴orトレッキングシューズ、飲み物、行動食

 上記のとおり開催いたしますので、お誘いあわせの上ご参加ください。
posted by ブナ at 19:16| おしらせ

エコパーク10周年展:会期延長のお知らせ

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 ただみ・ブナと川のミュージアムにて開催中の企画展「誕生から10年。只見ユネスコエコパークのここまでを振り返り、これからを考える」ですが、好評につき会期が延長される運びとなりました。
【会期:2024年11月4日(月・祝)まで】

 まだご見学されていない皆さま、ぜひ足をお運びください。また、「次の10年に向けての目標や課題を皆さんと考え、意見をいただくコーナー」への書き込みも増えています。どしどしご意見を頂戴いただければ幸いです。引き続きエコパーク10周年展をよろしくお願い申し上げます。
posted by ブナ at 18:44| 企画展