2024年05月11日
紀要No.11 発刊のお知らせ
「只見の自然 只見町ブナセンター紀要No.11」販売を開始しました。価格は税込1000円です。
「ただみ・ブナと川のミュージアム」と「ふるさと館田子倉」にて店頭販売を行っているほか、郵送によるご購入も受け付けております。詳しくはHPをご覧ください↓
http://www.tadami-buna.jp/publication.html
▼紀要No.11 タイトル・著者一覧
福島県只見町のカメムシ類(カメムシ目):2000年から2023年の調査成果
:角田亘
只見ユネスコエコパーク北東部地域における自動撮影カメラがとらえた哺乳類について
:中野陽介・東出大志・近藤友太・新国万寿美・三浦慎悟
福島県只見町におけるヒゲナガヒナバッタの生息状況調査
:吉岡義雄
只見町梁取地区のあがりこ型樹木集団の構造と形成過程
:鈴木和次郎・新国万寿美・中野陽介
福島県只見町におけるツキノワグマ出没とその社会生態学的背景
:中野陽介・鈴木和次郎
福島県只見地域における「鉈目(なため)」の実態と社会生態学的考察
:鈴木和次郎・中野陽介
只見町における調査研究の最新知見がまとめられています。
ぜひお手に取ってお確かめください。
posted by ブナ at 15:33| イベント
2024年05月01日
4月28日(日)「ブナ林の新緑観察会」開催報告
先月28日(日)はGW恒例の自然観察会を開催しました。その二日目「ブナ林の新緑観察会」には、町内者2名、町外者12名、計14名の参加がありました。開催地は恒例の「癒しの森」で、終点「戸板山眺め」までのコースを歩きました。
晴天に恵まれましたが、この日も季節外れの高温で少し汗ばむほどでした。例年であれば残雪を歩くこの森も、今年は急傾斜地に僅かに雪が残るばかりでした。
ブナの雄花も残雪の上でなく、落葉上に積もっていました。昨年は凶作だったものの、今年は木によってはそれなりの実りが期待できそうです。
ブナが多数の実をつける豊年は4-5年周期と言われていますが、その豊年にかかわる花芽形成の条件の一つには、8-9月の気温があると考えられています。さらに、気温は地域ごとにまとまっているため、豊年はある地域で一斉に生じる、と考えられているそうです。
鳥類は、見通しの利かない林内のため鳴き声のみの確認がほとんどでしたが、ツツドリやアオゲラ、コガラ、ヤブサメ、クロツグミ、オオルリなど12種を数えました。中でもゴジュウカラは私たちの近くでさえずっており、肉眼でも視認することができました。キツツキではありませんが、幹を垂直移動できる変わった小鳥です。
ゾウムシの一グループであるオトシブミの仲間は、落葉広葉樹の葉を巻き、その中に卵を産みます(これを揺籃と言います)。幼虫は葉を食べて成長します。ブナの柔らかな新葉を利用するオトシブミもいくつか知られており、今回はビロードアシナガオトシブミなど3種が見つかりました。
終点「戸板山眺め」からは金山町方面の山並みを望むことができ、約3 km先に聳える戸板山もよく見えました。足元にはオオイワウチワが群生しており、まだ散り落ちていない花も残っていました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。次回の観察会にもご期待ください。
posted by ブナ at 12:04| 自然観察会