2023年07月31日

草原のバッタ観察会活動報告

7/30(日)、草原のバッタ観察会を開催しました。河原のバッタ観察会と同じく強い日差しの中での観察会になりました。以下では観察会で確認できた種の一部をご紹介いたします。

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カンタンの幼虫
参加者の方が捕まえてくれました。秋の鳴く虫の女王とも呼ばれ、美しい声で鳴くことで有名です。アブラムシを捕食する他、アブラムシが分泌する甘露も舐めます。

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オオカマキリの終齢幼虫
クズとススキが繁茂する林縁や草地を好みます。只見のオオカマキリは関東以西と比較して小型ですが、終齢幼虫にもなれば、キリギリス類やセミ類のような大型の獲物を捕食するようになります。只見では、8月の上旬に成虫が姿を現します。

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トノサマバッタ
イネ科の短草地を好み、河川敷、砂礫河原、コンクリート舗装されていない駐車場や農道などでよく見られます。普通種としては比較的環境のえり好みをするバッタですが、条件を満たす草地には大抵生息しています。飛翔能力が高く、攪乱で生息に適した草地ができればすぐに飛来してくるためだと考えられます。

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ナキイナゴのオス成虫
ススキなどが茂るイネ科の長草地に見られます。その名の通り、オスは硬い前翅に後肢をこすりつけて鳴きます。バッタ類の中では成虫の出現が早く、只見では6月中に成虫が現れます。

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ナキイナゴのメス成虫
メスは鱗片状の小さな翅しか持ちません。また、オスも後翅は痕跡的で、雌雄共に飛翔しません。


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ご参加いただきありがとうございました
posted by ブナ at 15:01| イベント

2023年07月24日

河原のバッタ観察会活動報告

7/23(日)、河原のバッタ観察会を開催しました。前日までは曇りの予報でしたが、空は快晴、汗ばむ陽気の中での観察会となりました。

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河原へ降りる前に農道でバッタを探します。
裸地、草丈が膝下程度の短草地、ススキとクズを主とした長草地からなる環境です。このような場所では生息するバッタの種類が多く、観察に向きます。

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クルマバッタモドキ

オス成虫です。背中(胸部背面)の×印が特徴的です。短草地の代表的なバッタで、あまり生息環境を選ばず、公園の芝地や人家の庭でもよく見られます。名前にモドキ(擬き)とついていますが、本家のクルマバッタはより自然度の高い草原を好み、数も少ないため、本種の方がより出会う機会は多いです。

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オオカマキリ

オスの終齢幼虫です。クズ群落でよく見られ、バッタを含む様々な昆虫を捕食します。
中胸部と腹部の背面に白い点が見えますが、これはカマキリヤドリバエというハエの卵。ヤドリバエの幼虫はカマキリの体内に侵入し、十分に成長すると腹部の側面を食い破って出てきます。寄生されたカマキリは必ずしも死んでしまうわけではなく、飼育下では羽化・繁殖までするものも多いです。また、野外でもハエに脱出されたと思しき傷がある個体が元気に獲物を捕らえている姿もよく見られます。

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さて、いよいよ目的の河原に到着です。

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カワラバッタ

メスの終齢幼虫です。この日はオスは成虫、メスは羽化間近の終齢幼虫と羽化して日が経っていない若いメス成虫が見られました。その名の通り、砂礫河原に依存するバッタです。体色が生息環境に紛れる保護色となっています。じっとしているところを見つけるのは極めて難しく、探す時は足元を見ながらゆっくり歩き、バッタに跳ねてもらうのが基本です。北海道、本州、四国、九州に分布する日本固有種で、国外では見つかっていません。
只見町ではごく普通に見られるバッタですが、全国的には各地で絶滅の危機にあり、特に大阪、鳥取、熊本の3県では絶滅したと考えられています。本種を絶滅の危機に追いやっている主な原因は河川改修やダムの建設などによる河川の氾濫の減少です。カワラバッタが生息する砂礫河原は、定期的な河川の氾濫が起こらないと、植生遷移が進み、草原に変わってしまいます。すると砂礫河原に依存するカワラバッタは姿を消してしまうのです。
只見町には今も多くの砂礫河原が残されているため、現在は普通に見られるものの、河川改修工事が行われている場所もあり、楽観視はできません。

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そんなカワラバッタですが、一般的な知名度はそこまで高くありません。本観察会の目的の一つがこのカワラバッタのことを知っていただくことでした。参加者の皆さまにカワラバッタを捕まえ、じっくり観察してもらいました。

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ショウリョウバッタ
カワラバッタに別れを告げ、元来た道を帰る途中に参加者の方がピンク色のショウリョウバッタを見つけてくれました。通常、ショウリョウバッタは緑色型もしくは褐色型ですが、先天的な変異でこれらの体色に必要な色素を作れない個体がピンク色となります。そもそもこうした変異がでる確率が低い上、本種の生息環境である草地ではピンクはよく目立ち、天敵に捕食されやすいことから、ここまで大きく育ったものに出会うのは稀です。ラッキーな気分で観察会を〆ることができました。

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炎天下の中、ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
posted by ブナ at 18:05| イベント