2023年05月07日
5月6日(土)野鳥観察会(新田沢周辺)開催報告
2023年5月6日(土)、ただみ・ブナと川のミュージアム周辺および新田沢において全5回の3回目となる「春から初夏の野鳥観察会」を開催しました。GWの只中で集客効果もあったためか15名の参加があり、うち県外からは関東地方より5名の来訪がありました。天候は曇りで、涼しく動きやすい快適な条件でした。
今回はミュージアム駐車場から出発して、只見川を渡り新田沢の作業道までを往復するコースです。2022年6月26日にも同じコースで野鳥観察会を開催しており、25種の鳥類が確認されています。
「ただみ・ブナと川のミュージアム」の周辺には、隣接する集落や養魚場、只見川公園があり、視界には山々の支尾根も目に入るため、思いのほか多くの野鳥が観察できます。はじめの声聞きでは、ムクドリやヒヨドリ、キビタキの鳴き声が聞こえてきました。また、只見川公園では「チー」と鳴くカワセミも見られました。
サシバは、なわばり個体と思しき成鳥の雄と、侵入個体と思しき若鳥の2個体が、約300 m先の山麓部で干渉し合う様子を観察できました。また、アオサギやセキレイの仲間3種(キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ)も姿を見せました。
新田沢は一部に残雪があり、一列になってこんな小山を乗り越える一幕も。
新田沢はオオルリの個体数が多く、行く先々でさえずる雄の姿が観察できるものの、大体は逆光で見上げる格好になってしまい、きれいな瑠璃色を見ることは困難です。しかし、写真の個体は道から見下ろせる対岸の枯れ木で長時間さえずっていたため、斜面が背景となって美しい瑠璃色を見ることができ、参加者からは歓声が上がりました。
主に日本海側に分布するイカリソウの変種です。船の錨のような花を咲かせます。イカリソウには複数の種が知られていますが、只見町ではキバナイカリソウだけが確認されています。
スミレも見頃で、ナガハシスミレやオオタチツボスミレなど、複数の種が見られました。
斜面からの湧水でできた水溜まりには、トウホクサンショウウオの卵嚢も見られました。まだヤマアカガエルの卵塊もあり、町内でも平地と比べ雪解けの遅い山手では、産卵時期が遅いようです。
今回の野鳥観察会では、合計34種が確認されました。種数としては前日に開催した石伏地区に並びました。これだけ多くの鳥類が確認できたのは、普段からバードウォッチングを嗜まれていて、自主的に見つけて下さった何人かの参加者の貢献があったからこそです。
ミュージアム周辺ではアオサギやサシバ、カワセミを容易に見ることができました。新田沢ではクロツグミやキビタキの美しいさえずりを聞くことができ、特にオオルリの観察にはご満足いただけたようです。
ご参加下さった皆様、ありがとうございました。
posted by ブナ at 10:20| 自然観察会