
只見町には27の集落が存在し、これらは基本的に合併前の旧村が原型となっています。今でも集落ごとの行事や方言などの文化に違いが見られ、個性があります。只見川や伊南川に並行する道路で車を走らせていると、集落が現れては、途絶え、また別の集落が現れ、といった景色が続きます。
最近、国道289号沿いに車を走らせていると、小林集落と梁取集落の境付近にあるスギ林の中に何か白いものが見えました。気になって車を路肩に停め、近くまで寄ってみると、植林された若いスギの幹に養生テープで札が張り付けられていました。小林集落にある新福寺の護摩札です。これは集落への悪霊・悪疫の侵入を阻止するもので、小林集落が正月に立てたものなのでしょう。只見町ではムラ境の民俗がまだ生きているようです。