2022年11月30日

11月26日(土)野鳥観察会(塩沢地区)開催報告

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2022年11月26日(土)、塩沢地区において全3回のうち最終回となる「秋から初冬の野鳥観察会」を開催しました。今回は県内在住者および只見町民を中心に14名の参加がありました。天候は、朝方は濃い霧に覆われて視界不良だったものの、やがて霧も晴れ、しまいには小春日和の青空の下、絶好の観察会日和となりました。

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▲開催地・塩沢地区の景観

開催地の塩沢地区には、滝ダムによって堰き止められた只見川に人工湖である「滝湖」が広がっています。ここでは上流からの土砂の堆積によって浅瀬や中州が形成され、岸辺に植物が生育するため、冬にはこれらの植物を餌とするカモ類が数多く飛来します。つまり、この時季には絶好の探鳥地となるのです。

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滝湖は広い上に歩道のある区間が狭いため、大人数で歩いて回るには不向きです。そこで今回は公用車を2台用意して、眺望の優れた各ポイントを車で移動しながらの行程を組みました。

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▲オオハクチョウの家族

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▲コハクチョウ

冬の滝湖の主役は何と言ってもハクチョウ類です。滝湖には毎年オオハクチョウとコハクチョウの2種が飛来し、冬の間はいつでも観察することができます。一般的に、平野部で越冬するハクチョウは、夜の塒である湖沼や河川と昼の餌場である水田を往復して一日を過ごしています。しかし、山間地域である只見町のハクチョウは一日中水辺を離れないのが特徴です。その理由はよくわかりませんが、平野部と違って、只見町では餌場に適した水田地帯が周辺に存在しないせいかもしれません。

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▲マガモ

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▲オオバン

オオバンはカモの仲間ではなくツルの仲間ですが、これらの水鳥に共通するのは、水草を好んで食べる点です。このようなカモを「水面採餌ガモ」と呼び、餌をとる時にあまり潜らないのが特徴です。

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▲キンクロハジロ(白黒のカモ)とホシハジロ(頭部が褐色のカモ)

これらのカモは餌をとる時に潜水するため「潜水採餌ガモ」と呼ばれます。魚類や甲殻類、貝類などを餌とします。

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▲ホオジロガモ

こちらも潜水採餌ガモの一種です。寒冷地を好み、只見町ではダム湖のほか伊南川などの河川でも観察できます。個体数は少ないため、写真のような雄の成鳥が見られることはやや稀です。

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▲このように様々な水鳥で賑わう水域には、水鳥を狙う天敵も姿を現します。


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▲ハヤブサ

滝湖を見下ろすようにスギの樹頂にとまっていたのは猛禽類のハヤブサです。雄の成鳥と思われます。観察する我々からは距離があったのですが、カラスに警戒されたり、只見線の通過に驚かされたりして、あまり落ち着きのない様子でした。

▼今回の野鳥観察会で確認された種のリスト
(クリックすると別ウィンドウで開きます)
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今回の野鳥観察会では、合計25種の野鳥が確認されました。ハクチョウ類などの水鳥の他にも、ジョウビタキやベニマシコなどといった冬鳥が確認されたほか、ハヤブサの出現といったサプライズもあり参加者の皆様には概ねご満足いただけたようです。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
posted by ブナ at 17:08| Comment(0) | 自然観察会