2021年09月29日

只見町ブナセンター講座&自然観察会開催のお知らせ

 只見町ブナセンターでは、2021年10月23日(土)、24日(日)にブナセンター講座および自然観察会を開催いたします。皆さま、お誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください。

講座「ブナを利用する昆虫たち」
〇内容:
 本講座では、福島県の昆虫相に詳しく、蛾類(特にヤママユガ科)の生態や水生昆虫類を専門とされる三田村敏正氏を講師にお招きし、ブナやブナ科樹木を利用する昆虫のことや福島県内の昆虫相および特筆すべき種などについてもお話しいただきます。
〇日時:令和3年10月23日(土) 13時30分〜15時30分
〇講師:三田村 敏正 氏(福島県農業総合センター浜地域研究所・専門研究員、只見ユネスコエコパーク支援委員会委員)
〇会場:只見振興センター 1階ホール
   (住所:福島県南会津郡只見町只見宮前1390)
〇参加費:無料
※オンラインでのライブ配信も行います
講演時間内に、ブナセンターのYouTubeチャンネル(下記URL)にアクセスし、講演タイトルの動画を開くと視聴できます。
https://www.youtube.com/channel/UCRfrLUp9Vx3CSs7yatZp-lg?view_as=subscriber

自然観察会「恵みの森で紅葉のブナを見よう」
〇内容
 前日のブナセンター講座の講師である三田村氏の同行のもと、布沢地区の「恵みの森」において紅葉したブナ林やそこで見られる動植物を観察します。
〇日時:令和3年10月24日(日) 9時00分〜12時00分
〇観察地:恵みの森
〇集合場所:恵みの森駐車場(9時00分)
〇持ち物:マスク、飲み物、軽食、雨具、長靴
〇参加費:高校生以上400円、小・中学生300円
     町内在住の小・中学生・高校生100円(保険料込み)
〇定員:15名[要事前申込 締切日10月22日(金)]
※悪天候時や新型コロナウイルス感染拡大の状況に応じて、中止あるいは時間短縮の場合があります

〇参加申込み・お問い合わせ先
只見町ブナセンター 電話1(プッシュホン)0241−72−8355
午前9時〜午後5時(火曜休館)
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posted by ブナ at 15:38| Comment(4) | イベント

2021年09月10日

夏休み子ども教室主催イベントを支援!

 8月6日と20日に夏休み子ども教室主催、只見町ブナセンター指導で「ビオトープ観察会」、「ストーリーボード制作会」が開催されました。

 8月6日(金)は、「ビオトープ観察会」が黒谷地内のビオトープにて開催され、町内の子どもたち16名が参加しました。

 天気が良く暑い中でしたが、子どもたちはビオトープや小川で思い思いに生きものを探し、最後にブナセンター指導員の解説を聞きながら多様な生きものたちを観察しました。

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▲ブナセンター指導員の解説を聞く子どもたち

 観察された生きものは、キイトトンボやオオルリボシヤンマの成虫、オニヤンマのヤゴ(幼虫)、コシマゲンゴロウやコガムシなどの水生昆虫、アカハライモリやアズマヒキガエルといった両生類まで約20種にのぼりました。子どもたちは様々な生きものが生息できる環境の大切さを学ぶと共に、次々と見つかる生きものに大興奮の様子でした。

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▲オオルリボシヤンマ

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▲生きものを観察する子どもたち


 8月20日(金)は「ストーリーボード制作会」が只見町立朝日小学校にて開催され、町内の子どもたち24名が参加しました。

 初めに子どもたちはブナセンターの紙谷館長からブナの森についての話を聞き、ブナの森の仕組みや森に暮らす動植物について学びました。その後、NPO法人お山の森の木の学校の明石浩見さんが制作したブナ材のボードと、様々な生きものを模した木製パーツや木の実などを使用して、一人ひとり思い描くブナの森の物語を自由に表現しました。

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▲ブナの森の話を聞く子どもたち

 木製パーツや木の実を貼り合わせるだけでなく、クレヨンやフェルトペンなどを使ってボードに色を塗り、空や川を表現したり季節や時間の変化も表現したりと、子どもたちなりにブナの森の仕組みとそこに暮らす動植物について学ぶことができました。

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▲ストーリーボード制作中の子どもたち

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▲子どもたちみんなで記念撮影

 子どもたちのアイデアがたくさん詰まった「ブナの森のストーリーボード」は、現在「ただみ・ブナと川のミュージアム」1Fセミナー室にて9月30日(木)まで展示中です。子どもたちの個性豊かな作品をご覧にぜひお越しください。
posted by ブナ at 17:01| Comment(0) | イベント

2021年09月05日

自然観察会「夏のブナ林で昆虫観察会」開催報告

 2021年8月28日(土)、ただみ観察の森「梁取のブナ林(学びの森)」において、自然観察会「夏のブナ林で昆虫観察会」を開催しました。ただみ観察の森は、只見ユネスコエコパーク内の自然環境やそこに生息・生育する動植物の現状を理解し、身近に触れてもらうことを目的とした場所です。梁取地区の森戸沢沿いに位置するこのブナ林は、半世紀ほど前、薪炭利用のためブナやナラ類などが伐採され、その後に実生から成長したブナから構成される二次林です。林内にはブナの大径木も見られますが、これは伐採時に形状がよくなかったためにそのまま残されたものと考えられています。

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▲梁取のブナ林の様子

 今回の観察会では、ブナ林にどのような昆虫が生息しているのか、なるべく多くの種を観察するため、事前に昆虫採集用のトラップをいくつか設置し、それらにかかった昆虫や道中で見られた生きものについてブナセンター指導員が解説しました。

 ブナ林の入り口では、若いブナの葉についた虫こぶ、ブナハマルタマフシが観察されました。虫こぶは、昆虫に産卵・寄生された植物の組織が異常成長することで形成され、大半がこぶ状になるため、そう呼ばれています。ブナハマルタマフシは、タマバエ科(双翅目)の仲間の仕業です。新緑の時期、開ききったばかりの柔らかいブナの葉に産卵します。

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▲ブナの葉にできたブナハマルタマフシ

 林内に入ると、エゾゼミとコエゾゼミの鳴き声が梢から聞こえてきました。7月下旬から現れるこれら2種の鳴き声はよく似ています。「ジーーー」と鳴くエゾゼミに対し、コエゾゼミはそれよりも少し高い音で鳴きます。ブナの幹には、赤茶色のエゾゼミの抜け殻が見られ、幼虫がこのブナ林内の土壌中で成長していることが分かります。成虫の姿を見ることはできませんでしたが、指導員は、エゾゼミとコエゾゼミの成虫の写真をお見せしつつ、生態について解説しました。

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▲ブナの幹に付いていたエゾゼミの抜け殻

 林床に目を向けながら歩を進めていると、低木で翅を休めていたヤママユのオスを見つけることができました。翅をひろげると10pほどもある大型の蛾で、幼虫は主にブナ科植物の葉を食べて育ちます。只見町では8月頃から成虫が現れますが、夜間灯りに集まった個体を除けば、日中に見ることはそう多くありません。ヤママユの雌雄の違いなどを解説し、元の場所に放してやると、一仕事を終えたかのように森の奥へと静かに飛んでいきました。

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▲林床の低木にとまっていたヤママユのオス

 次に、遊歩道沿いに仕掛けておいたトラップを見て回り、かかった昆虫を観察しました。写真にある傘付きのトラップは、衝突版トラップ(フライトインターセプトトラップ、通称FIT)と呼ばれ、地表付近を低く飛んでいる昆虫を透明の板に衝突させ、地面の容器に落とす仕組みとなっています。容器の中をのぞくと、ハネカクシという甲虫の仲間やカマドウマ類の幼虫が少しだけ入っていました。

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▲衝突版トラップの容器内をのぞく参加者
 
 道沿いには、落とし穴トラップ(ピットフォールトラップ)も仕掛けておきました。これは、プラスチック製のコップを地面に埋め、地表を歩いて移動する昆虫を落として捕獲するトラップです。仕掛けておいた10個のコップの中身を確認していくと、クロナガオサムシ、マイマイカブリ(幼虫)、クロツヤヒラタゴミムシなど、ブナ林の地表に生息するオサムシ科の仲間が入っていました。クロナガオサムシの幼虫は双翅目や鱗翅目の幼虫を捕食します。マイマイカブリはカタツムリを捕食することで有名ですが、あまり目にすることのない幼虫の姿に参加者は驚いていました。また、色鮮やかなセンチコガネという糞虫もトラップにかかっており、この仲間が動物の糞や死体、腐ったキノコ類に集まることを、指導員が解説しました。

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▲設置した落とし穴トラップ

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▲落とし穴トラップにかかったクロナガオサムシ

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▲マイマイカブリの幼虫

 ブナの奇木がある中間地点を過ぎると、ブナの幹に止まっていたヨコヤマヒゲナガカミキリを見ることができました。日本固有種で、ブナとイヌブナの生立木しか食べない唯一のカミキリムシです。幹に止まっている成虫の姿は、見事なまでにブナの樹皮とそっくりで、保護色となります。日中は、ブナの梢で細枝をかじっていることが多いですが、夕刻になるとメスは地表部に下りてきて、ブナの根際に産卵します。羽化した成虫が、幹から脱出する際にあける丸い穴(脱出孔)は、そのブナ林に本種が生息している証です。

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▲ブナの幹にいたヨコヤマヒゲナガカミキリのメス

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▲ヨコヤマヒゲナガカミキリの脱出孔

 本観察会ではブナ林の昆虫に焦点を当て、ゆっくりと時間をかけて観察の森を歩きました。目視による探索やトラップを通して、ブナを直接利用する昆虫から、ブナ林を主な生息環境とし、他の生きものと関わりながら生活しているものまで、実際に現物を見ることができました。参加者からは「ブナ林にたくさんの昆虫が生息していること、ブナだけを食べる昆虫がいることは面白い」といった感想が寄せられました。

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ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
posted by ブナ at 15:20| Comment(0) | 自然観察会