2021年07月02日

あがりこ型樹形のコナラ巨木をナラ枯れから守る!(その後)

 昨年9月、ナラ枯れ被害をうけている只見町黒沢のあがりこ型樹形のコナラ巨木に殺菌剤を注入し、この6月19日に殺菌剤注入木の生存確認調査を実施しました。

 「ナラ枯れとは?」、「只見町でのナラ枯れ被害の状況」、「あがりこ型樹形のコナラ巨木の特徴」、「ナラ枯れ防除作業」については過去のブログ(下記URL)に記してありますので、そちらをご覧ください。
http://tadami-buna.sblo.jp/article/186064230.html

 只見町ブナセンターでは、2012年より殺菌剤の樹幹注入により黒沢区あがりこ型樹形のコナラ巨木のナラ枯れ防除を行っていますが、それでも近年は枯死するコナラが散見されるようになりました。当初よりご指導いただいている齊藤正一先生(現・山形大学農学部客員教授、只見ユネスコエコパーク支援委員会委員)に相談したところ、ナラ枯れの原因となるナラ菌がこれまで使用してきた殺菌剤に対する耐性を持ち始めている可能性があるとのことでした。そこで、2020年9月、齊藤先生のご協力により新しい殺菌剤の効果試験を兼ねた殺菌剤注入作業を実施しました。従来使用してきた殺菌剤と新しい殺菌剤とで注入量を変えながら50本以上のコナラなどの樹木に薬剤注入しました。また、このときはこれまで殺菌剤注入時期として実施しきた春注入ではなく、春季の開葉時期と同時に殺菌剤の有効成分が樹幹内に行き渡ることが期待される秋注入としました。

 前置きが長くなりましたが、今回6月の生存確認調査(新薬の薬害調査)では注入木のほぼすべての生存を確認し、新薬の薬害もなかったようです。しかし、ナラ菌を媒介するカシノナガキクイムシの活動が活発になり、ナラ枯れ被害が本格化するのはこれからの季節です。今秋にも同様に生存確認調査(新薬の効果調査)を実施します。かつて只見町の住民が持続可能な形で森林資源を使用してきたことを伝える貴重な歴史遺産「あがりこ型樹形のコナラ巨木」を保全できればと期待しています。

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posted by ブナ at 09:42| Comment(3) | イベント