2020年11月08日

ネット企画展「只見の野生動物とその生態」の動画配信を開始

2020年10月10(土)〜12月14(月)まで、「ただみ・ブナと川のミュージアム」2階ギャラリーにて開催中の企画展(改訂版)「只見の野生動物とその生態」のシリーズをトピック動画として配信しております。

今回は、企画展の紹介動画です。

ご自宅でも企画展の雰囲気をお楽しみいただければ幸いです。


posted by ブナ at 11:50| Comment(0) | 動画

2020年11月07日

自然観察会「余名沢の多様な森を歩く!」開催報告

 2020年10月31日(土)に自然観察会「余名沢の多様な森を歩く!」を開催しました。当日は通常の参加者15名に加え、季の郷湯ら里のスタッフ3名を含む18名の方々にご参加いただきました。前日は雨が降っていましたが、観察会当日は雨も上がり、気持ちの良い森歩きができました。

 午前9時半、集合場所の湯ら里から観察会の森へ出発しました。

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 只見の森と言えばブナ林の印象が強いと思いますが、実際には集落から離れた奥山に行かなければ見ることはできません。
 観察地入口から眺めることができる、集落の裏手にある緑の森はスギの人工林です。その上には赤や黄など色とりどりに紅葉した樹木が混生する森が広がります。樹種によって紅葉の色は異なることから、多様な樹種が生育していることがわかります。また、山の尾根には、天然針葉樹のキタゴヨウが馬の鬣(たてがみ)のように並んでいます。

 本観察会では、このような只見の多様な森林の中を歩き、その成立の由来を学んでいただくことを目的としました。

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▲スギ人工林

 森の入口付近に広がっているのは植林されたスギの人工林です。何度かの間伐を経て、すでに建築用の柱材に使える太さに育っています。スギ林の中には、コナラやホオノキなどの高木も時折見られます。

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▲コシアブラ

 芽が食用とされるコシアブラも大きく育っています。これらスギ以外の広葉樹はスギが植栽される際に伐採を逃れたか、あるいはスギの植栽と同時期に芽生えたものが成長したと考えられます。

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▲クリ、コナラ、ホオノキで構成された二次林

 少し歩くと落葉広葉樹で構成された二次林が広がります。林内は明るく、多様な低木も見られます。かつての薪炭林と考えられます。今ではそうした利用もなくなり、放置されたあとも成長を続けています。こうした森林をどのように活用していくか、今後の課題です。

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▲アカマツ林

 乾燥に強く、栄養の乏しい土地でも育つアカマツは、尾根の上で見られます。只見では痩せた尾根の上はキタゴヨウが生育しており、アカマツが育つ尾根は多くないと考えられます。アカマツは、薪として利用すると火力が強く、窯業で重宝されます。また、マツタケ菌と共生することも知られています。アカマツが利用されない状態が長く続くと、林にはコナラなどの広葉樹が徐々に侵入し、アカマツは駆逐されていきます。

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▲ブナ二次林

 さらに奥に進むと、かつて薪炭林として利用されていたブナ林がでてきます。隣接する混交林とは全く様相が異なり、高木のほとんどはブナです。ブナ林と混交林は、かつて別々の所有者が、薪炭林としての伐採利用の方法を別々に行っていたために成立した林であると考えられます。

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▲かじご焼の跡

 ブナ林の中には、かじご焼の跡も見つかりました。かじご焼は、林床に四角い穴を掘り、その中で小径の広葉樹材を炭化させる製炭法で、只見では広く行われていました。炭の火力は弱いのですが、扱いやすいので、掘り炬燵等に利用されていました。

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▲只見の森林利用について解説する館長

 ブナ林を観察しつつ、只見の多様な森林をこれからどう管理し、利活用していくか、館長からその可能性について解説がありました。森林と人との関係について、参加者の関心は高く、沢山のご質問もいただきました。

 皆様が森に対して抱く興味関心は幅広く、指導員も学ぶことの多い楽しい観察会となりました。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 また次回の観察会でも、皆様のご参加をお待ちしております。
posted by ブナ at 16:50| Comment(1) | イベント