2019年10月27日

11月10日(日)『ただみ観察の森』観察会B「蒲生集落あがりこブナの森」のご案内


只見町ブナセンターでは、11月10日(日)に『ただみ観察の森』観察会「蒲生集落あがりこブナの森―ブナを利用してきた人の暮らしを知る」を開催します。

『ただみ観察の森』は、只見ユネスコエコパーク地域内の自然環境や野生動植物の現状を理解し、身近に触れてもらうことを目的として只見町が指定した場所です。蒲生集落あがりこブナの森は、かつて旧真名川集落の人々が生活のために利用していた森であり、その痕跡が残された様々な形のブナが生育しています。雪上で台伐り(主幹の採材)と萌芽幹の伐採とが繰り返し行われることで形成されたあがりこ型樹形のブナや、晩秋にかじご焼き(炭焼き)のため、地際より萌芽枝が繰り返し採取されることで根元から萌芽幹を多数伸ばしたブナがみられます。本観察会では、蒲生集落の『ただみ観察の森』を活用し、只見ユネスコエコパークの自然環境とその特徴を理解することを目的とします。

日 時 2019年11月10日(日) 午前9時00分〜11時00分

集 合 ただみ・ブナと川のミュージアム(午前9時00分)

参加費 高校生以上200円、小中学生100円(保険料)

観察地 蒲生集落あがりこブナの森
※荒天時は中止あるいは時間を短縮することがあります

持ち物 飲み物、防寒具、天候により雨具

装 備 長靴あるいは歩きやすい靴

定 員 30名(要事前申込)

詳細につきましては、下記のURLより只見町ブナセンターのホームページをご覧ください。
http://www.tadami-buna.jp/event.html

なお、参加するためには、事前申し込みが必要ですのでブナセンター(0241-72-8355)までご連絡ください。

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posted by ブナ at 16:46| Comment(0) | イベント

2019年10月09日

野鳥観察会の報告

去る9月28日に野鳥観察会「只見町の秋の鳥〜渡ってくる鳥・去る鳥」を開催しましたので、遅くなりましたがご報告します。

この観察会は、企画展アーカイブ「只見の野鳥とその生態」に関連して開催したものです。「ただみ・ブナと川のミュージアム」に集合し、隣接する水の郷只見川公園、そこから只見川沿いに只見ダムまで移動しながら野鳥観察を行いました。

隣接する水の郷只見川公園には高木になったシロヤナギが生育しています。開会の挨拶をしていると早速その周辺から騒がしい鳥の声が聞こえてきました。

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声の主はヒヨドリです。数十羽のヒヨドリが集まっていました。ヒヨドリは日本では普通に見られる鳥ですが、日本とその周辺にしか生息しない世界的には珍しい鳥です。周年を通して見ることができる地域がほとんどの鳥ですが、渡りをする個体と留鳥型の個体の両方がいることが知られています。この場所に集まっていた集団はおそらく渡り途中の集団と思われます。

葉に隠れてなかなか探し出せませんが、参加者は双眼鏡や望遠鏡でなんとか姿を確認することができました。公園内の丘に上がると、数羽の群れが時折飛び立ち移動する様を確認できました。

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公園内の水辺にできたヨシの中には、夏に繁殖していたオオヨシキリの巣を見ることができました。

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川沿いを移動しながら、水辺の鳥を探しました。ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイの3種揃って生息していました。
また、山の斜面にはナラ枯れの被害木を見ることができ、その原因や現状などについてもお話ししました。

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道々、ゴマナやノコンギク、オトコエシといった秋の花も観察しました。

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ダム湖には冬鳥のキンクロハジロがやってきていました。他にカワウやアオサギ、カルガモなどおり、トビが湖面からさらうように魚を獲るシーンも見ることができました。

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参加者は12名。ゆっくり歩きながら様々な只見町の秋を観察することができました。
posted by ブナ at 14:15| Comment(0) | 自然観察会

2019年10月06日

身近な自然を学ぶ『ただみ観察の森』観察会 杉沢のユビソヤナギ林 ―保全の必要性について考える―

 10月5日(土)に『ただみ観察の森』杉沢のユビソヤナギ林で自然観察会を実施しました。『ただみ観察の森』は、只見ユネスコエコパーク地域内の自然環境やそこに生息・生育する野生動植物の現状を理解し、それらを身近に触れてもらうことを目的とした場所で、町内の7ヵ所に設置されています。今回は、杉沢集落の伊南川沿いに位置するユビソヤナギ林で、参加者10名とともに河畔林を構成するヤナギ類各種の葉や樹皮の特徴や生育環境を観察しました。

 前日の夜は激しい雨風で、当日の天候が心配されましたが、一転して快晴に見舞われました。伊南川右岸の熊倉地区の集会所に集合し、そこから車に乗り合わせて対岸のユビソヤナギ林へ向かいました。国道289号線沿いに入り口があり、そこからユビソヤナギ林を経由して河原に行くことができます。

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▲ユビソヤナギの説明を受ける参加者

 ユビソヤナギは、日本固有種で東北地方から関東地方内陸部にかけての14ヵ所の河川でしか確認されていない珍しいヤナギです。只見町では2003年に初めて記録され、その後の集中的な調査によって叶津川、小戸沢、北ノ又川、そして伊南川流域に広く生育することが分かっています。いずれの生育場所も中州や網状流路が発達した広い河原をもつ山地河川で、加えて冬季の積雪が80pを超える地域に分布することから雪国に特徴的なヤナギと言えます。また、只見地域のユビソヤナギは、黒谷川および伊南川沿いの50km以上にわたって断続的に分布しており、日本最大級の自生地となっています。

 ユビソヤナギ林といっても林内には、ユビソヤナギ以外に複数のヤナギ類が入り混じっています。ここでは主にシロヤナギ、オノエヤナギ、オオバヤナギの4種がみられ、葉や樹皮を実際に観察しながら、これら4種の見分け方を説明しました。

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▲樹高の高いヤナギ類は、ほとんどがシロヤナギでその中にユビソヤナギが点在する

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▲ユビソヤナギの樹皮は全体的に黒っぽく縦に裂けるのが特徴だが、シロヤナギの樹皮は白っぽく、はがれやすい

 林内を抜けて河原に出ると、ヤナギ類の若い個体が確認されました。ユビソヤナギとオノエヤナギの葉は両方とも細長いため、一見して見分けるのは難しいですが、それぞれの葉の特徴を理解すれば次第に識別できるようになります。ユビソヤナギは葉の鋸歯(葉の縁のぎざぎざ)が粗く、オノエヤナギの葉の縁は波状で鋸歯はほとんどありません。さらに、何枚かの葉を素手で握ってみると感触もだいぶ違います。

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▲河原には若いヤナギ類が生育する

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▲「葉と握手すれば分かる」ユビソは固く、オノエは柔らかい

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▲河原から山地に目を向けると、手前にユビソヤナギ、背後にブナ林という組み合わせを見ることができる

 最後は、只見町における河川環境およびユビソヤナギの保全について話し合いました。ユビソヤナギは、国および福島県の絶滅危惧種(絶滅危惧II類)に、また只見町指定の貴重野生動植物種に指定されています。河川改修等でタネが発芽・定着できるような場所(砂州)が無くなり、ダムの設置により大規模な出水が起きにくくなると、ユビソヤナギは子孫を残すことができなくなり、その河川から消滅する可能性が高くなります。洪水時の流れが河岸に強く当たる湾曲部の補強といった河川工事は、必要に応じてしなければなりませんが、ユビソヤナギが生育し得るような環境を残すことも重要です。

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▲参加者の集合写真

 今回はユビソヤナギや河川環境の保全の必要性について理解していただくよい機会になったのではないかと思います。参加者の皆さま、ご参加いただきありがとうございました。『ただみ観察の森』における自然観察会は、11月にも予定しておりますので、そちらもぜひご参加いただければ幸いです。
posted by ブナ at 16:28| Comment(0) | 自然観察会