2017年10月09日

9月24日自然観察会「八十里越の化ケ物谷地に行こう!」

 観察会は、現在開催している企画展に関連し、湿地の植生やその重要性を理解することを目的として開催されました。観察地の化ケ物谷地へは、八十里越明治新道(以下 明治新道とする)を通り、その道中で秋の花とブナ林を観察しました。今回の観察地は国有林内に属するので、許可を得て入山しました。
 国道289号線の未開通区間(八十里越)を車で通り、交易に使われていた会津と新潟を結ぶ明治新道を目指しました。移動のバスの中では、センター長の新国が参加者へ只見町のいろいろな話をし、ただみ・ブナと川のミュージアムから30分以上かかる道のりもみなさん楽しく過ごされていました。今回は、叶津の長谷部忠夫氏に同行いただき、八十里越の説明もしていただきました。

 明治新道に入ってから化ケ物谷地までは徒歩1時間ほどかかります。明治新道は荷車が通っていたと言われています。道幅の広い場所は2mほどあり、当時の名残が感じられました。道沿いには、タイリンヤマハッカ、キバナアキギリやツリフネソウなど秋の花が咲き誇っていました。また、キイロスッポンタケやギンリョウソウモドキなどの姿も見ることができました。
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<タイリンヤマハッカ>

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<キバナアキギリ>

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<ツリフネソウ>

 明治新道沿いには、大麻平(おおまだいら)と呼ばれる場所があり、谷合の緩斜面にブナの林が広がっています。参加された方たちは少しの間、立派なブナの林を見入っていました。大麻平は、2007年に「自然首都・只見」宣言が行われた場所でもあります。
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<大麻平のブナ林>

 途中には、道に倒木が横たわっている下をくぐったり、枝の間を縫うように歩いたりと困難な場所もありましたが、みなさん楽しまれているようでした。
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<倒木の間を縫うように進む>

 大麻平を過ぎると、明治新道から明治中道に入りました。明治中道は、明治新道より細く牛馬が通れる程度で、わずか15年ほどしか利用されず廃道になった道です。入口からしばらくは傾斜の急な場所が続きます。途中には、水がたまり、小さな湿地のような場所も多く、目的地に近づいている雰囲気がありました。
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<八十里越明治中道を通る>

 急傾斜を登りきると、斜面の下方向に樹冠がぽっかりと空いた場所が見えてきました。今の時期は木々が生い茂るので、ここからはまだ湿地の全容を掴むことができません。そこから先に進み、湿地に沢が流れ込む見通しの良い場所で谷地の形成や植生調査の仕方などを説明しました。化ケ物谷地は中央に島があり、植生としてヨシが優占する低層湿地です。
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<化ケ物谷地にて>

 また、長谷部氏には化ケ物谷地の名前の由来や明治中道について説明いただきました。
化ケ物谷地の名前の由来は正確に残っていませんが、山間の霧の中ぽっかりと空間の空いた中に谷地の中島の木がおぼろげに見える様子に当時の人は気持ち悪さを感じ、化ケ物と形容したのではないかということでした。
 谷地から明治新道に戻ったところで昼食休憩をとり、昼食後には長谷部氏に問答形式で八十里越について解説していただきました。

 観察会には、18名が参加し、化ケ物谷地、八十里越はもちろんその道中で草花やキノコなどの観察も楽しんでいただくことができました。
posted by ブナ at 10:35| Comment(0) | イベント