2017年05月13日

【報告】春の観察会「春のブナ林を歩く」

5月4日に癒しの森で春の観察会「春のブナ林を歩く」を行いました。
癒しの森は、只見町と金山町の境に位置し、松坂峠にある入口から戸板山眺めまで往復3時間ほどのトレッキングルートが設置してあります。
ブナの新緑に春の訪れを感じながら、そこに生育する植物や森林の様子を観察しました。
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癒しの森では、入り口付近にナラの二次林、スギ、カラマツの人工林、その奥にはブナ林が見られます。この場所には本来ブナが生育していましたが、薪や木材の利用を目的に伐採を行った結果、ナラの二次林になっています。癒しの森では、こういった森林の違いも観察できます。
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30分ほど歩くとようやくブナが見え始めました。
下見の時には、開きはじめだった葉っぱも展葉が終り、きれいな新緑が見えました。また、数本のブナに花も確認していたのですが、すでに散ってしまったように見えました。参加者の方が落ちた花を見つけてくれたので、そこで花、冬芽の観察を行いました。はじめてブナの花を見たという方も多く、興味深そうに観察していました。
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中間地点の交流広場では、4年前に倒れた国界の大ブナの前でギャップと植物の更新について説明しました。木が倒れると今までその木に覆われていた樹冠があき、光が差し込むようになります。この空間のことをギャップと言い、その林床では、それまで被陰されていた植物たちが成長します。今年は、先駆植物のタラノキやヤマウルシなどしか見られませんでしたが、もう少しすると、ブナの実生も見られるようになるでしょう。
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そこからさらに尾根を登ると左手に青春広場と呼ばれるブナ林が広がります。ここには太さの揃ったブナがすっと上まで伸びています。一度伐採が行われた後に成立したブナの二次林で、一斉に成長したためにこのような景観ができました。
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尾根には雪が少なく、地面が見えていたので、森林の下層植生を観察しました。今の季節、癒しの森では、常緑のヒメアオキ、ヒメモチ、ハイイヌツゲ、ハイイヌガヤなどが見られます。
この植物たちは、現在開催中の企画展で紹介している日本海要素植物です。日本海要素植物は、主に日本海側に分布する植物です。太平洋側の対照種では高木として成長するものが、雪圧により幹が地面を這い樹高が低くなるなど形態的な特徴の違いが見られます。
また、雪の保護作用により冬の乾燥、低温から守られることで寒い地域でも成育している植物もあります。
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戸板山眺めでオオイワウチワなどの山野草や尾根から見えるブナの新緑、サクラを楽しみながらお昼休憩を取りました。
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尾根以外の場所にはまだ雪が残り足元が悪い中でしたが、町内外から22名の方が参加され、ブナの新緑、雪、山野草など今の時期にしか楽しめないものを観察できました。
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2017年05月11日

【報告】春の観察会「春植物の花園を歩く」

ゴールデンウィークの5月3日、春の観察会「春植物の花園を歩く」を行いました。
出発する前に、ブナセンターの前で只見町に特徴的な雪食地形の説明をしました。多雪による雪の影響で只見町の山々は独特の景観を現しています。雪崩の多い急斜面にはミヤマナラやマルバマンサクなどの雪崩に強い植物が、尾根部の土壌の少ない場所にはキタゴヨウなどが馬のたてがみのように分布しています。そして雪崩の少ない比較的なだらかな斜面はブナを主体とした森となっています。
ゴールデンウィーク前後はちょうどブナの展葉の時期です。ブナはいち早く葉を広げるため、まだ葉が開かない雪崩斜面と黒々とした尾根部、新緑に染まるブナ林がくっきり別れ、植生の違いを観察するには最高でした。
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ミュージアムから観察地の黒谷川上流部へ移動し、林道入口からは、いよいよ歩いての散策開始です。入口脇の草地は、下見の時には咲いていなかったカタクリやキクザキイチゲの花畑になっていました。ここで春植物の生態についてお話しました。
雪解けとともに咲き、夏には葉を枯らし姿が見えなくなってしまうような植物を「春植物」といいます。彼らは他の植物が茂る前に花を咲かせ葉を開き、栄養を根に蓄えます。そして、葉を落とし、根だけの状態になって次の春を待つという戦略をとった植物たちです。地上に姿が見えないときにも、次の春一番に花を咲かせるために地下で花芽を作り準備をしています。
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地元の方々が福寿草平と呼ぶ場所ではフクジュソウが群生し、とても華やかでした。
ここは昔、カノと呼ばれる焼畑を行っていた場所です。カノは、雑木林や草地を刈り払い、そこを焼き、浅く耕してソバやアズキなどを作付けする農法です。かつてカノとして利用していた日当たりのよい土地に、陽光を好むフクジュソウたちは花畑を作りだしています。
ここは斜面のため、雪は斜面の下に溜まります。そのため、斜面の上からフクジュソウは開花していくので、下見の時には咲いていなかった場所が、当日は満開となり、斜面上では多くが実をつけ、葉を大きく広げ青々としていました。
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帰り路ではスギ林内の越冬シカによるササの食痕や、かつて只見まで狩りに来ていた秋田マタギの話などをさせていただきました。
オオバボダイジュの前では、この木から採れる「シナっ皮」の利用や、加工処理の大変さを交えて、昔からの自然利用と、手間暇を惜しまない手仕事についてお話させていただきました。
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雪解けの早かった昨年、エイザンスミレやミヤマキケマン、ラショウモンカズラ、ヒトリシズカなどが咲いていた斜面では、今年は雪が平年並みに残っていたため、今回の主役、春植物であるカタクリ、キクザキイチゲ、フクジュソウ、他にも雪どけすぐに開花するケアブラチャンの小さな黄色い花や、アオイスミレなどが見られました。
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今回の観察会には町内外合わせて17名の方にご参加いただきました。ご参加いただき本当にありがとうございました!
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posted by ブナ at 13:24| Comment(0) | 自然観察会