2021年06月10日

自然観察会「初夏の只見沢で渓畔林と雪食地形をみる」参加者募集中!

6月26日(土)に自然観察会を開催します。只見沢で渓畔林とそこに生息する生き物、さらに、只見町の自然が創り出すアートとともいえる雪食地形を観察します!皆様、ぜひご参加ください。

【自然観察会「初夏の只見沢で渓畔林と雪食地形をみる」】
日時:6月26日(土)9:00〜12:00
観察地:只見沢周辺(浅草岳登山道沿い)
集合場所:田子倉無料休憩所(国道252号線沿い)
持ち物:マスク、飲み物、行動食、雨具、長靴または登山靴
参加費:高校生以上500円
    小・中学生400円
    町内在住の小・中学性、高校生200円
    (保険料込み)
定員:15名(要事前申込)

申込締切日は6月24日(木)ですので、参加ご希望の方はお早めに!!
お申し込みは只見町ブナセンター(TEL:0241-72-8355)までお願いいたします。

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企画展アーカイブ「只見の春植物とその生活史」開催のお知らせ

 只見町ブナセンターでは、本日6月5日(土)より、付属施設「ただみ・ブナと川のミュージアム」2階ギャラリーにおいて、企画展アーカイブ「ヒメサユリのすべて」を開催いたします。皆様お誘いあわせのうえ、ぜひお越しください。

〇内容
 本企画展は、2014年4月26日〜6月30日に実施した企画展「ヒメサユリのすべて」のアーカイブです。ヒメサユリは福島・山形・宮城・新潟の4県でしか生育が認められていない、地域固有種です。中でも只見町は国内最大級のヒメサユリ自生地として知られており、町内の様々な場所でその姿を見ることができます。
本企画展では、何故、只見町ではこれほど広い範囲にヒメサユリが自生しているのか、ヒメサユリの生態と只見の自然環境から解説します。これに加えて、ユリ科ユリ属植物の基本的な知識の解説、ヒメサユリと他のユリの生活史戦略の比較も行い、ヒメサユリについての理解が深まる内容となっております。本企画展が只見のヒメサユリを楽しむ一助となれば幸いです。

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2021年05月13日

自然観察会「春の花と新緑のブナ林観察会」開催報告

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この時季の只見の山肌を見たとき、新緑に覆われた部分はブナ林です。
そんな春の只見町において、5月2日(日)・3日(月)に開催した「春の花と新緑のブナ林観察会」の様子をご報告します。

 5月2日(日)「春の花観察会」
 天気予報では雷雨の恐れがあり気を揉んでいましたが、観察会の時間帯は一時小雨程度でした。「季の郷湯ら里」の裏山にある今回の観察地・余名沢では、春植物が林のタイプによって出現が異なることに着目しつつ解説いたしました。

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▲カタクリ

カタクリは余名沢で多く見られる春植物です。かつて片栗粉の原材料として利用されていたこともあるカタクリですが、開花までに8年程度を要するとされています。開花するまでの数年間は葉を1枚だけ地上に出す姿から、只見では「カタバ」という地方名で呼ばれています。葉を生で食べると甘く、只見町の参加者からは、かつて軽く茹でて利用していたとのお話が紹介されました。

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そんなカタクリですが、林縁やコナラ林では普通に生育している一方、ブナ林内では見当たりません。ブナは他の落葉樹に先駆けて開葉し、多くの葉を付けるので、林内には直射光が入りにくいのです。そのため、春先に十分な日照を必要とするカタクリなどの春植物にとって、ブナ林の中は生育に適さないのです。

散策路を外れた林内には、薪炭利用の時代に伐り残されたブナが大木に育っていました。中にはこの冬の豪雪で太枝が落ちた木があり、枝先についた花を観察することができました。

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▲混芽

ブナには、新たに伸びる枝葉の元のみを包んでいる「葉芽(ようが)」と、同時に花も包んでいる「混芽(こんが)」があり、後者のほうが大きく膨らんでいます。

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▲混芽を開いた様子

芽を包む薄茶色の「芽鱗(がりん)」を剥がすと、その中に雄花と雌花の両方が別々に存在する「雌雄異花同株(しゆういかどうしゅ)」であることが分かります。昨年凶作だった町内のブナですが、今年は並作程度には結実するかもしれません。

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▲稚樹に見る芽鱗痕

また、一冬開けるごとに芽麟が落ちるため、稚樹でその痕跡「芽麟痕(がりんこん)」を数えると樹齢を判別することができます。ブナ二次林の林床にある無数の稚樹には3つの芽麟痕が認められ、2018年の豊作年の種子から発芽したと推測されます。

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▲キクザキイチゲ

陽当たりの良い水路沿いの歩道には、キクザキイチゲやショウジョウバカマ、また、低木類の地味な花も観察できました。

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集落の裏山・余名沢の森では、人の利用方法の違いによる多様な森林景観がもたらした、林床植物の違いを観察することができました。

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 5月3日(月)新緑のブナ林観察会
 この日も天気予報では突風や雨が予想されましたが、観察会の時間帯だけは荒天を免れました。観察地「癒しの森」は国道352号線・松坂峠にある散策路で、金山町と只見町の境に位置しています。この地域の原植生はブナ林でしたが、多様な利用方法によって現在の森の姿が形作られています。

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▲コナラ・ミズナラ林

入り口付近のまだ展葉していない広葉樹林はミズナラを主体とした林です。ミズナラなどのナラ類は比較的成熟が早く(成長が良ければ10年生までに開花結実を開始)、若い木では伐採後の萌芽更新も旺盛です。そのため、若い林を伐採利用する薪炭林のサイクルとよくマッチしており、世代交代が容易でした。そのような利用が継続したことから、現在の二次林が成立しました。そんなナラ類は、光合成のために多くの陽光を必要とするため、多少の日陰でも成長が可能なブナと樹冠が重なりあうと負けてしまいます。癒しの森の奥へ進むにつれブナが混じるようになると、競合に負けたナラ類は数を減らしてゆきます。

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▲立ち枯れ木や倒木には昆虫による利用形跡がみられる

昨今、ナラ枯れの被害もあり大きなミズナラは消失してきています。一方で、若い二次林には大木が立ち枯れたり倒れたりする機会は少ないことから、腐朽した木は昆虫などの多様な生物を育む重要な環境を提供してくれています。オオウラジロノキの立ち枯れ木には、クワガタ類の産卵痕を見ることができました。

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この森のブナも、かつて薪炭林として伐採利用されていた二次林ですが、天然林に近い姿は「勢子泣かせの峰」付近の北側斜面に見ることができます。新緑が目にも鮮やかでした。

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▲ブナの花

ここでは開花したブナの枝先がいくつも落ちており、枝先についた雌花、その下に垂れ下がる雄花のつくりを見ることが出来ました。

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▲ハウチワカエデの花

ブナは雌雄異花同株ですが、ハウチワカエデは雄性両全性同株、つまり雄花と両性花を同じ株の枝先につけます。

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▲オオイワウチワ

折り返し地点「戸板山眺め」の尾根ではオオイワウチワの花が見られ、満開は過ぎていたものの見応えは十分でした。
そのほか、エゾユズリハやツルシキミなど日本海要素植物の紹介、サンショウクイなど夏鳥の声聞き、スマホ写真撮影講座など、職員による様々な視点からの解説で、春の癒しの森の魅力を堪能いただけたかと思います。

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観察会の紹介は以上になりますが、今回あいにくコロナ禍で参加を断念された方、ブログをお読みいただき参加してみたいと思われた方々とも、今後の観察会でお会いできる日を楽しみにしています。なお、春植物については現在「ただみ・ブナと川のミュージアム」で開催中の企画展アーカイブ「只見の春植物とその生活史」で詳しく解説しております。ぜひミュージアムにも足をお運びください。
posted by ブナ at 11:18| Comment(0) | イベント

2021年04月14日

研究紀要No.9発売です!

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「只見の自然 只見町ブナセンター紀要No.9」販売開始のご案内です!
価格は税込500円。「ただみ・ブナと川のミュージアム」と「ふるさと館田子倉」で店頭販売を行っているほか、郵送によるご購入も受け付けております。詳しくはHPをご覧ください↓
http://tadami-buna.jp/publications.html#3

紀要No.9 タイトル・著者一覧

「只見町に生息する小型齧歯類相とセシウム蓄積の現状」
 …石庭寛子・Mariah Davis

「形態調査とSSRマーカーによる只見町のヒメサユリの遺伝的多様性解析」
 …山本将・黄木𥙿平・平城望・山田絵会

「福島県只見町のトンボ類(トンボ目)」
 …角田亘

「只見町の湿原に自生するトキソウの遺伝的多様性の評価」
 …南山泰宏・長尾賢治・赤尾奈緒子

「只見町のイヌワシに関する調査報告(2020年版)」
 …太田祥作・松井睦子・芝小路晴子・中野陽介・横山隆一

「只見町の植物資源における機能性物質の探索」
 …目黒周作・桑原隆明

「只見の養蚕の技術的発展と分業」
 …松崎大

「福島県只見町における沼ノ平地域で数多く捕獲されたオサムシ科(コウチュウ目)」
 …槇原寛・緒勝祐太郎・石川貴大・中野陽介

「2020年に沼ノ平周辺でマレーズトラップとスズメバチトラップで捕獲されたスズメバチ亜科の種」
 …槇原寛・牧野俊一・緒勝祐太郎・中野陽介

只見町の調査研究の最前線がまとめられています。
ぜひお手に取ってお確かめください!
posted by ブナ at 18:34| Comment(3) | イベント

2021年04月12日

只見町ブナセンター友の会写真展「只見の自然と暮らしを撮る」開催のお知らせ

 只見町ブナセンターでは2021年4月10日(土)より、ただみ・ブナと川のミュージアム休憩室において、ブナセンター友の会写真展「只見の自然と暮らしを撮る」を開催いたします。観覧は無料ですので、皆さまお誘いあわせのうえ、ぜひお越しください。

 只見町の自然や文化の魅力をよく知るブナセンター友の会会員やその家族、只見高校生が撮影し、スマートフォンに眠ったままになっている写真、家族も忘れかけている古いアルバムの写真など、豊かな自然やその中で暮らす人々の生き生きとした表情をお見せします。新旧織り交ぜた約500枚の写真を会場いっぱいに大公開します。“暮らし”にこだわった展示を通じて、町内外の皆さまに只見の魅力を実感していただければ幸いです。

会期
2021年4月10日(土)〜2022年3月31日(木)

会場
ただみ・ブナと川のミュージアム 休憩室

観覧料
無料 ※常設展や企画展の観覧には入館料が必要です


入館料
高校生以上310円、 小・中学生210円
※20名以上の場合団体割引があります
※只見町内在住の小・中・高校生は入館料が無料になります

お問い合わせは只見町ブナセンターまで
電話1(プッシュホン)0241−72−8355
午前9時〜午後5時(火曜休館)
http://www.tadami-buna.jp/

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posted by ブナ at 13:32| Comment(0) | イベント