2019年05月06日

只見四名山 要害山

要害山の標高は705mあり、JR只見駅の後方に位置します。
今の時期に登山道沿いに見られる花について紹介します。

要害山の頂上への道は、旧只見スキー場跡地からの「南尾根登山道」、滝神社の裏からの「宮ノ沢登山道」、北尾根の作業道があります。
今回紹介するのは南尾根登山道、宮ノ沢登山道です。

登り始めの低木林では、ユキツバキ、タムシバなどの花が咲いていました。ミヤマナラをはじめとする低木の開葉が進んでいたので、だんだんと山一帯が緑に覆われていっています。

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ユキツバキ
花弁の赤色、花糸の黄色、葉の緑色がきれい

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タムシバ
大きく白い花は遠くから見ても目立つ
只見では町の花として親しまれています。

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オオカメノキ
中央の両性花を囲うように装飾花がつく

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マルバマンサク
花の中央から吹き戻しを吹いたように四方に細長い花弁が広がる

低木林を抜けると、キタゴヨウマツ林の下にはイワカガミなどの山野草が見られました。

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イワカガミ
同じ場所に蕾の個体もあったので、もうしばらくは花を見られそうです。

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イワウチワ
まとまって咲く姿に壮観さを感じる

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イワナシ
良く見ていないと見落とすが、可憐な佇まいをしている

山頂直下から頂上にかけてのブナの開葉はほとんど完了し、きれいな新緑に包まれていました。足元には去年落ちた堅果から発芽したブナがいくつも見られました。

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ブナの実生

頂上から南尾根に少し下るとキタゴヨウマツの林床にアズマシャクナゲが広がります。
花、蕾ともにあまり見られなかったので、花の着きが良くないのかもしれません。

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アズマシャクナゲ

今週の日曜日には、只見四名山の1つ目として要害山の山開きがあります。是非この機会に只見の山を登り、只見の自然に触れていただければと思います。







posted by ブナ at 11:21| Comment(0) | 山歩き

2019年04月30日

自然観察会「新緑のブナ林を歩く」

4月29日(月)に布沢にある癒しの森で、春の自然観察会を実施しました。

この日は天気が良く、午前9時頃の時点で気温が15度もありました。
癒しの森駐車場で集合し、準備運動や観察会の注意事項などを確認すると、さっそく癒しの森の中に入っていきました。
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癒しの森にはまだ雪が残っておりましたが、木々の根本にはぽっかりと雪がない「ネアキ」と呼ばれる隙間があります。幹周りの雪が早く解ける主な理由は諸説ありますが、どんなに暖かくなっても雪の表面温度が0℃で保たれるのに対して、幹の表面は日差しを吸収して温度が上昇しやすいため、雪面と大きな温度差が生じることが一つの理由と考えられています。うっかりこの隙間に足を滑らせてしまうと危険な場合があります。

下の写真の右側の木の根に見られるのがネアキです。
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ブナ林が見えてきたところで、ブナの樹の特徴を説明しました。

ブナは日本列島の冷温帯落葉広葉樹林を構成する代表的な樹種であり、日本海側の多雪地域を中心に分布しています。ブナの結実は、基本的には隔年結実で、5−7年に一度豊作年があります(昨年の只見は豊作年にあたりました)。また、積雪は、ブナの堅果をげっ歯類からの捕食から守ったり、乾燥から防いでくれるなど、ブナの「更新」(自然に落下した種子から樹木が成長すること)に役立っています。

ブナの生育にとって雪は非常に重要な要素であるといえます。
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癒しの森を歩いていると、鳥の鳴き声がよく聞こえてきます。
この日は、ドラミングと呼ばれるキツツキ類が木をつつく音や、イカルの鳴き声が聞こえてきました。

「国界の大ブナ」と呼ばれる交流広場に到着しました。
こちらは、大ブナが倒れたことにより、空を見上げると、空間がぽっかりあいているのがわかります。その結果、ブナによって遮られていた日差しが地面にまで降り注ぎ、タラノキなどの陽樹が新たに生育していました。一本の樹の動向が森の様々な動植物に影響を与えることで、森自体が日々変化しているのだと気付かされます。
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「青春広場」に着きました。只見町出身のお客様の中には、子どものときによくここまで遊びに来たという方もいらっしゃいました。この青春広場では、ブナの「二次林」(一度伐採された後に再生した林)が見渡せます。これらのブナをよく観察すると、同じ時期に更新したにも関わらず、高さにばらつきがあるのがわかります。
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林床にはエゾユズリハやヒメアオキなどのいわゆる日本海要素と呼ばれる常緑低木が生育しています。これら常緑の植物が厳しい冬を越せるのは、やはり積雪が冬季の低温や乾燥から守ってくれているからと考えられます。
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ようやく、「大岐 戸坂山 眺め」までたどり着くことができました。ここで待ちに待ったお昼休憩です。
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帰り道は、タムシバという白い花を咲かせる樹木や、只見では地肌がざらざらしていることから「ジサガラ」と呼ばれるケアブラチャンの良い香りを楽しみながら、みなさんで記念写真を撮りました。
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天気も良く、とても気持ちの良い観察会になりました。
ぜひまたご参加していただければ幸いです。

posted by ブナ at 12:06| Comment(0) | イベント

2019年04月29日

春の自然観察会「春の花観察会」

 4月28日に蒲生かたくり公園とその周辺で、「春の花観察会」を開催しました。毎年ゴールデンウィークに、春の自然観察会として春植物の観察会を実施しています。今回は、蒲生かたくり公園と周辺のブナ林で春植物を観察し、蒲生の農村風景を楽しみながら歩きました。当日の様子をお伝えします。

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会津のマッターホルンと称される蒲生岳

 かたくり公園では、カタクリ、フクジュソウ、キクザキイチゲ、エゾエンゴサク、コシノコバイモなど只見で見られる代表的な春植物の生活史を説明しました。

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蒲生川上流、大倉山の残雪とカタクリ群落

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クリ林のカタクリ群落を歩く

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カタクリ

 かたくり公園から蒲生岳の登山道を少し登ると、小規模のブナ林があります。そこでは、ユキツバキの花や、ブナの芽吹きを観察しました。

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かたくり公園から歩いて5分ほどでブナ林に着く

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春の日差しに包まれ、ブナ林もようやく色づき始めた

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ユキツバキ

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ケアブラチャンの花が蒲生岳の斜面を黄色く染め上げる

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蒲生岳を背景に集合写真

 かたくり公園周辺では、上記の春植物から少し遅れて開花するニリンソウの花も見られました。また、場所によって植物の顔ぶれも異なり、それぞれの種に好適な生育条件があることを説明しました。
 
 今年は積雪が少なかったので、例年より時期を早めての観察会となりましたが、無事に只見の春植物を観察することができました。参加いただきありがとうございました。
posted by ブナ at 11:20| Comment(0) | イベント

2019年04月22日

4月28日「春の花観察会」下見

2019年4月28日開催の「春の花観察会」下見のため、蒲生かたくり公園に行ってきました。
スギ林のような日陰にはまだ雪が残っていますが、蒲生岳の雪も解け、これから徐々に春色に染まっていきます。

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蒲生岳とかたくり公園の様子

公園内やその周辺では、カタクリ、キクザキイチゲ、タチツボスミレなどが花を咲かせ、越冬明けのクジャクチョウがフキの花を訪れていました。
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蒲生かたくり公園周辺のカタクリやキクザキイチゲ

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フキの花とクジャクチョウ

春の花はおおよそ出揃いましたが、カタクリはまだ満開ではありません。観察会当日には見頃?になり、ブナの展葉も始まるかと思われます。

また、翌日には癒しの森で「新緑のブナ林観察会」もありますのでそちらもぜひご参加ください。
なお、観察会の参加には事前の申し込みが必要です。申し込み締め切りは、4月26日となっておりますので、参加ご希望の方はブナセンター事務局までご連絡ください。
http://www.tadami-buna.jp/event.html#1905meeting
posted by ブナ at 12:14| Comment(0) | おしらせ

2019年04月21日

農作業の準備が始まります

気温が20度近くまで上がるような、春の陽気が近づいてきましたが、油断をすると肌寒く感じる日もあります。

只見町でも、徐々に町民のみなさんが農作業の準備を始められたようです。

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現在の只見町では、あちこちで畑の土をおこして、ならしている光景を見ることができます。

一番上の写真は、春を感じさせるフキノトウをあえて残して、畑を整備したのでしょうか?想像がふくらみます。


ある町民の方にうかがったお話によると、只見町で本格的に農作業を開始するのは、5月に入ってからだそうです。4月はまだ地温が低く、畑に作物を植えても成長しません。当地の4月はまだ、冬の名残りのほうが色濃く残っています。過去には6月にみぞれが降った年もあるのだとか。

なお、「ただみ・ブナと川のミュージアム」では、4月27日(土)より特別企画展「植物学者 河野昭一の世界 その生涯と只見」を開催いたします。詳しくはこちらhttp://www.tadami-buna.jp/event.html#KawanoWord


ぜひ皆様お誘い合わせのうえ、冬と春のはざまにあるこの時期に、只見町にお越しください。

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posted by ブナ at 11:18| Comment(0) | 定点観測